知って得する経営塾 第598号 『新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)』
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『新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)』
社会保険労務士 吉田 幸司
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今年9月15日に厚生労働省から、
新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)が発表されました。
人材不足が叫ばれる中で新卒者の離職状況を知ることは、
採用戦略を練る上で重要な資料になります。
統計は学歴別業種別企業規模別に集計されています。
業種規模の合計の離職率は次の通りです。
大学 | 32.2% |
短大等 | 41.3% |
高校 | 40.8% |
中学 | 67.7% |
大卒は3年以内に1/3、高卒は2/5が離職していることがわかります。
これを企業規模別学歴別に見ると、企業規模が小さいほど
離職率が高くなる傾向がはっきり出ます。
1000人以上 | 大卒 24.3% | 高卒 25.3% |
500〜999人 | 大卒 29.8% | 高卒 32.9% |
100〜499人 | 大卒 31.9% | 高卒 37.9% |
30〜99人 | 大卒 38.8% | 高卒 47.1% |
5〜29人 | 大卒 50.2% | 高卒 56.4% |
5人未満 | 大卒 59.1% | 高卒 64.0% |
29人未満の会社は実に半分以上の新卒者が3年以内に離職しています。
逆に1000人以上の企業では1/4の離職率です。
この差について、統計では説明がされていませんが、
仲間の人数、労働環境、新卒者側の意識等多くの要因が
大企業に有利に働いていると考えることができます。
業種別に見ると、業種ごとに大きな開きがあることもわかります。
離職率の上位4業種は大卒、高卒ともに同じです。
離職率が高いと噂される業種は統計上もその通りとなりました。
宿泊・飲食サービス業 | 大卒 50.2% | 高卒 64.4% |
生活関連サービス業・娯楽業 | 大卒 46.3% | 高卒 59.4% |
教育・学習支援業 | 大卒 45.4% | 高卒 56.0% |
小売業 | 大卒 38.6% | 高卒 50.4% |
もう一つ興味深い傾向は、離職の時期です。
一般に勤続年数が長くなれば離職率は下ると考えられています。
高卒ではその傾向が顕著に現れますが、大卒はそれほど顕著ではありません。
1年目離職率 | 大卒 12.3% | 高卒 19.5% |
2年目離職率 | 大卒 10.6% | 高卒 12.0% |
3年目離職率 | 大卒 9.4% | 高卒 9.3% |
また、離職時期による離職者の割合は過去を遡っても
それほど大きく変化しないことも統計から見て取れます。
この統計から考えると、多くの若者が仕事探しを
しているであろうこともわかります。
それに対応した助成金として、
特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)があります。
3年以内既卒者を採用して1年間定着すれば最高で70万円
(中小企業のユースエール認定企業が高校中退者を採用した場合)の助成金です。
平成31年3月31日までに募集をして、平成30年4月30日までに雇い入れた場合に適用されます。
これを活用するのも採用戦略の一部として検討の余地はあると思います。
◆◇◆ 人事戦略研究所 吉田 幸司 プロフィール ◆◇◆
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次号、第599号は10月23日(月)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!
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