知って得する経営塾 第450号『子がいない場合の妻の相続』
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ワーク・ライフ・バランスを越えて 働き方が変わる 会社が変わる!
不況の中でも元気に業績を伸ばしている企業があります。
業績が右肩上がりの企業とそうでない企業とでは、どこが違うのか。
このシンプルな疑問に答えを出しました。
本書では、今、元気あふれる企業をピックアップし、その事例の中から
元気の源を探ってみました。その結果わかったことは、それらの企業には
“ワーク・ライフ・ハピネス"という考え方が根底にあるのです。
“ワーク・ライフ・ハピネス"が中小企業の元気の“素"だったのです。
業績不振に悩む中小企業の経営者、管理者の目からウロコ本です。
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子がいない場合の妻の相続 弁護士 谷原 誠
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今回は、お子さんのいない夫婦の場合には、
配偶者を守るために必ず遺言書を残しておきましょう、というお話です。
個人が亡くなった場合、その人は「被相続人」となり、
権利義務を「相続人」が承継します。
民法では、相続人の順位が決められています。
〇第1順位:子(直系卑族)
※養子・非嫡出子・胎児を含みます
※子が死亡している場合は、孫や曾孫に代襲相続されます
〇第2順位:父母(直系尊属)
※父母が死亡している場合は、祖父母が相続人になります
※第1順位の人がいない場合のみ、相続人になります
〇第3順位:兄弟姉妹
※第1・第2順位の人がいない場合のみ相続人になります
※兄弟姉妹が死亡している場合は、甥・姪が相続人になります
〇配偶者:夫または妻
※配偶者は、つねに相続人になります
※法律上の婚姻関係にある者です。内縁関係では相続人にはなりません
子供のいない夫婦で、たとえば夫が亡くなった場合、
まず配偶者である妻は相続人になります。
しかし、妻だけが相続できるわけではありません。
夫の親などの直系尊属や兄弟姉妹と一緒に相続することになります。
父母が健在なら、妻の法定相続分は3分の2、親が3分の1となり、
父母がいない場合には、妻が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
相続財産がお金だけであれば、分ければいいだけですが、
自宅など不動産があると、突然相続争いが発生することになります。
自宅を売却して清算せざるを得なくなり、
残された配偶者が生活基盤を失う可能性もあるのです。
果たして、こうした事態を回避する方法はあるのでしょうか?
いくつかありますので、順に説明していきます。
(1)「法定相続人に相続放棄してもらう」
被相続人が死亡すると自動的に相続が開始されますが、相続人は、
自分が望まないのに無理矢理相続する義務があるわけではありません。
また、被相続人に多額の借金がある場合、借金も相続されますので、
なんとか相続を逃れない、という場合もあるでしょう。
そんな時、相続人は「相続放棄」をすることができます。
相続放棄をすれば、始めから相続人ではなかったことになります。
親や兄弟姉妹が始めから相続人でなかったことになり、
妻が全ての財産を相続することができます。
ただ、実際にはなかなか難しいでしょう。
(2)遺産分割協議をする。
法定相続人全員が合意すれば、遺産は法定相続分のとおりに
きっちり分割する必要はありません。
こうした話し合いを「遺産分割協議」といいます。
妻が支払える限度のお金の相続で我慢してもらうか、
マンションの持分の一部を相続してもらって、
そのマンションの分割を求めない旨の合意をすることも考えられます
(但し、5年が上限です)。
(3)「遺言書を遺しておいてもらう」
遺言を遺しておけば、財産の分け方を本人の意思で決めることができます。
ただし、法定相続人には最低限の財産を受け取る権利である「遺留分」が
認められているので注意が必要です。
たとえば、子供が2人いる場合、
夫が「自分の全財産を妻に相続させる」という遺言を遺しても、
子供は「遺留分」を受け取ることができます。
この場合、遺産等の全体の2分の1が遺留分となり、
そこに子供の法定相続分である4分の1を掛けた8分の1ずつが
子供たちの遺留分となります。
ところが、兄弟姉妹や甥・姪が法定相続人になる場合は
遺留分が認められないので、この場合、「全ての財産を妻に相続させる」
という遺言書を遺しておいてもらっていれば
遺産の全額を相続できるということになります。
ある程度の年齢になったら、
自分が死んだ後に残される人のことも一度考えておく必要があると思います。
私は数多くの親族間の争いを見てきましたので、つくづくそう思う次第です。
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編集後記 副編集長 塩田 剛也
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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
今週は相続についてお送りしました。
“争続”と呼ばれるくらい揉め事の起きやすいものなので、
事前の準備・対策が非常に重要となります。
特に相続はいつ発生するかわかりません。
今日の帰り道で、交通事故に遭ってしまうかもしれません。
脳や心臓だって、もしかしたら今日、病気になってしまうかもしれません。
とても痛ましい事件ですが、同級生に襲われることもあるかもしれません。
今からそんな先のことを考えるなんて、と思いがちですが、
備えあれば憂いなしです。
できることは準備していきましょう。
本文中でも紹介されていますが、例えば不動産だけを相続した場合でも、
何かしらの方法で相続人同士で遺産を分け合わなければなりません。
現金が潤沢にあれば、現金で分けて終わり、と簡単です。
ですが、実際にそうできる方は少ないのが現状です。
それが争いの原因になったり、生活基盤を失うことになってしまったり、
非常に厄介な問題です。
いざ相続に直面してからでは遅いのです。
現金を用意する、という点で、生命保険も活用できます。
契約するときに保険金の受取人を指定できますが、
誰になっているか覚えていますか?
私は現在独身のため、受取人は親になっています。
このまま変更手続きをしないと、結婚して子供ができても、
万が一のときの保険金は親に行ってしまいます。
家族の生活を守るため、相続の際に問題を起こさないようにするため、
と考えて加入していても、
手続き忘れや不備一つで逆に問題になってしまう可能性もあります。
これを機会に一度状況を整理し、
相続について考えてみてはいかがでしょうか!?
次号、第451号は8月11日(月)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!
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