知って得する経営塾 第424号『暴力団から自分を守る。家族を守る。』
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ワーク・ライフ・バランスを越えて 働き方が変わる 会社が変わる!
不況の中でも元気に業績を伸ばしている企業があります。
業績が右肩上がりの企業とそうでない企業とでは、どこが違うのか。
このシンプルな疑問に答えを出しました。
本書では、今、元気あふれる企業をピックアップし、その事例の中から
元気の源を探ってみました。その結果わかったことは、それらの企業には
“ワーク・ライフ・ハピネス"という考え方が根底にあるのです。
“ワーク・ライフ・ハピネス"が中小企業の元気の“素"だったのです。
業績不振に悩む中小企業の経営者、管理者の目からウロコ本です。
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暴力団から自分を守る。家族を守る。 弁護士 谷原 誠
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こんにちは。弁護士の谷原誠です。
昨年、ニュースで、大手損害保険会社は、
暴力団関係者が保険を契約できないようにする、という記事が出ました。
そうすると、暴力団関係者が運転する自動車は、無保険自動車です。
その自動車に自分がひかれたら、誰が賠償金を支払ってくれるでしょうか?
今回は、その問題点について解説します。自分のブログにも書いたのですが、
できるだけ多くの人に知って欲しいので、このメルマガ誌上をお借りして
お伝えしたいと思います。
保険会社が契約した人が暴力団関係者と判明する時期は、
1.契約時、2.契約中、の2段階があります。
契約時に暴力団関係者と判明した場合は、
これまでも保険契約を断ってきました。
しかし、契約中に暴力団関係者と判明した場合には、中途解約が難しく、
更新時まで待って、更新を拒絶したといいます。
そこで、保険約款を変更して、契約途中で暴力団関係者と判明した場合も
すぐに保険契約を解除できるようにする、ということです。
日本では、すでに47都道府県全てに暴力団排除条例が施行されており、
企業は、暴力団に経済的利益を与えることが禁止されています。
損保会社が暴力団関係者と保険契約を締結し、保険事故があると、
暴力団に保険金が支払われます。
これは、暴力団に経済的利益を与えることになるため、今回の動きは、
条例や今回のみずほ銀行の騒動を踏まえた当然の行動といえるでしょう。
しかし、私は、このような措置によって、
自動車事故の被害者に生ずる不利益について心配せざるを得ません。
つまり、損保会社が、暴力団との自動車保険契約を拒絶し、
または解除することによって、暴力団関係者は、自動車に関し、
任意保険が無保険状態となります。
もちろん、自賠責保険の加入は義務づけられていますが、
同法の保護は、被害者救済のための最低限の保障を定めるにすぎません。
自賠責保険の金額を超える損害賠償金については、
事実上被害者が泣き寝入りする結果となるのではないか、ということです。
自賠責保険の金額は、たとえば、死亡の場合は、最高3,000万円です。
そこで、仮に、40歳男性で年収800万円、家族が妻と子供1人、
という例で、死亡事故の損害賠償金を算出してみたいと思います。
この場合、概算で、1億1150万円が、損害賠償額となります。
この損害賠償額は、被害者が今後働いて得られるお金や慰謝料など、
被害者の遺族が当然もらえてしかるべき賠償金です。
自賠責保険で、3,000万円をもらったとしても、
残りの8,150万円が回収不能となってしまうおそれがあるのす。
損保各社は、契約途中で暴力団関係者と判明した場合は、
その後の事故でも保険金を支払う、といいますが、
そのうち暴力団関係者の全ては自動車保険に加入できなくなってしまいます。
その場合の保護はないことになります。
そのあたりも考えて、政策的保護も検討すべきだと思います。
また、暴力団排除条例は、暴力団の資金源を断つ、というところに
目的があります。
暴力団関係者が自動車事故を起こした場合、
損害賠償金は被害者に全額支払われます。
その限度では暴力団の資金源になりませんし、
暴力団を利する事にはなりません。
暴力団排除条例の適用外と考えることも可能なのではないでしょうか。
警察と保険会社に再考を願う次第です。
なお、暴力団関係者の自動車が任意保険未加入であることを想定して、
被害者が取り得る手段があります。
それは、自分に保険をかけておくことです。
自分の自動車保険に、「無保険者傷害特約」がついていれば、
相手が任意保険未加入であっても損害賠償額に相当する保険金が
被害者に支払われます。
「人身傷害補償特約」も有効です。
自動車事故は、私たちの想定外の時に被害に遭います。
想定外の事故の際に身を守るために、
自分の保険を見直してみるのもいいと思います。
私も、被害者になった時のための保険に加入しています。
あなたもぜひ検討してみてください。
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編集後記 副編集長 塩田 剛也
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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
私は前職が保険会社職員でしたので、
今回の内容は非常に興味をそそられました。
自動車保険に加入する理由は、基本的には「事故を起こしたら大変」
「相手に危害を加えてしまったらどうしよう」
と、自分が加害者になることを想定してのものが多いと思います。
私もそうでしたし、お客様もそうでした。
その点で、谷原先生のおっしゃる
「自分が被害者になった場合のことを考えて」
保険に加入するというのは、まったく違った考え方だと感じました。
保険会社は利益を犠牲にして契約者を守ってはくれません。
保険会社は営利企業だということを意識しておかなければいけません。
保険金支払の際には、保険会社が当事者間に立って交渉を行います。
事故の状況分析、確認、過失割合の決定に関わる話など、
多額の現金が動く仕事です。
もし自分が金銭に関わる交渉をするときに、
相手が反社会的勢力だったらどうでしょうか。
きっと、多くの人が怖くて交渉できないと思います。
保険会社も同じです。
一般の契約者同士の事故と比較し、
1件の事故に係る時間、手間が多くなるのは容易に想像できるかと思います。
であれば、あえて反社会的勢力と契約する必要性はありませんし、
積極的に契約する会社であれば余程の赤字があるとか、何かしらの
危険性があると考えられます。
保険会社にとっても、反社会的勢力を相手にするメリットがない。
法律でも禁じられている。
排除することで、クリーンなイメージも保たれる。
重ねて申し上げますが、保険会社は営利企業です。
会社を犠牲にして自分たちを守ってくれるんだ、と考えてはいけません。
守ってもらうには、自分で対価を払い契約を結ぶしかありません。
若くして大黒柱が倒れ、経済的に困窮した家族を何度も見てきました。
もっと保険に入っておけばよかった、という後悔も何度も見てきました。
保険料を払うことは気持ちの良いことでもありませんし、
余裕がない方ももちろん多いと思います。
ですが、保険は自分の身を、さらには家族を守るための大切なものです。
そして、その決断は自分にしかできません。
自分で守るしかありません。
何を守らなければいけないか、しっかりと考えたいですね。
次号、第425号は2月10日(月)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!
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