知って得する経営塾 第544号『労働基準監督署の調査について』
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『労働基準監督署の調査について』 特定社会保険労務士 東海林正昭
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メルマガの読者の皆様お元気ですか。
今回は、労働基準監督署の調査についてご案内します。
全国に321有る労働基準監督署は、
労働関係法令違反行為に対して、
それらを是正し労働関係法令を遵守するために
様々な調査を行っています。
調査を行うのは労働基準監督官で、事業場に立ち入り、
労働基準法や労働安全衛生法等を遵守させるとともに
特別司法警察職員として被疑者の逮捕、送検を行う権限があります。
平成26年に労働基準監督官が司法処分として
検察庁に送検した件数は1,036件で、
内訳は労働安全衛生法違反が628件(60.6%)
労働基準法違反が400件(38.6%)
最低賃金法違反が8件(0.8%)となっています。
労働基準監督署の調査は、
申告監督、定期監督、再監督などがあります。
申告監督とは、労働者からの申告に基づいて実施されます。
多くは退職した労働者が企業との間で賃金不払や解雇などで
トラブルになった案件の申告に対して行う調査です。
それに対して定期監督とは、毎月一定の計画に基づいて
ランダムに業種を選出し行う調査で、労働条件通知書締結、
就業規則作成・届出、36協定締結・届出、
時間外・深夜労働に対する割増賃金、
労働安全基準、健康診断などの項目に対して行われます。
定期監督の際には、様々な必要書類の提出を求められ、
違反していると判断された場合は是正勧告などの処分が行われます。
再監督とは申告監督、定期監督の際に
法違反の指摘があった企業に対して再度、訪問し
是正の有無を確認するために行う調査です。
平成27年末に平成26年の労働基準監督年報が発表になりました。
それによると、労働基準監督署の調査は、
労働基準監督官が事業場に赴き、監督を実施した件数で、
申告監督が22,430件(13.5%)、
定期監督等(災害時の監督を含む)が129,881件(78%)、
再監督が14,138件(8.5%)で、トータル166,449件になります。
全国に321有る労働基準監督署で割ると
一つの労働基準監督署あたり518件程度になります。
申告監督を実施した業種を業種別にみると
商業、接客娯楽業、建設業、その他の事業、
製造業の順になっています。
申告条項別にみると、賃金不払と解雇がほとんどです。
定期監督を行った業種を業種別にみると
建設業、製造業、商業、保健衛生業、
接客娯楽業の順になっています。
定期監督129,881件のうち、法違反の件数は90,151件で、
違反率は69.4%となっています。
法違反の内容を法条項別の違反率でみると、
労働時間,安全基準,割増賃金,健康診断,
労働条件の明示,就業規則の順となっています。
国は、過重労働撲滅に力を入れ、
平成27年度に東京と大阪の労働局内に
過重労働撲滅特別対策班(かとく)を設置し、
ABCマート、フジオフードシステム、ドンキホーテ
の3社を告発送検しました。
さらに、平成28年度に47局の労働局に、
過重労働特別監督管理官を新設しました。
平成28年度より労働基準監督署でも
過重労働の長時間労働に歯止めをかけるため
に36協定の特別条項で月80時間越えを締結している
企業に対し監督・指導を強化し調査を行います。
このような状況の中、皆様の企業も労働基準監督署などが
調査する項目、そして長時間労働の過重労働対策には
十分注意し、問題が起きる前に改善をしましょう。
◆◇◆ 特定社会保険労務士 東海林 正昭 プロフィール ◆◇◆
https://www.ecg.co.jp/about/syoji.php?mm=536
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次号、第545号は8月1日(月)に配信予定です。
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