第332号『パワーハラスメントの定義』
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この本執筆したのは弊社代表の税理士、榎本恵一と社会保険労務士の吉田幸司、渡辺峰男と弁護士の谷原誠です。労使間のトラブルは、トラブルが起こってからよりも起こる前の方が重要です。起こる前なら回避策や防止策が効果を発揮しますが、起こった後ではその効果は限定的です。平穏無事な会社が一夜にしてトラブルの渦中に巻き込まれるということも実際にあるのです。その意味では、平穏無事な会社ほどこの本を読む価値があると言えるでしょう。労使トラブルから会社を守るための必読の書!!
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パワーハラスメントの定義 特定社会保険労務士 東海林 正昭
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メルマガの読者の皆様お元気ですか。
２０１２年１月３０日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する
円卓会議ワーキング・グループ」として「職場のパワーハラスメント
（以下パワハラと言う）とは同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や
人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場又は職場環境を悪化させる行為をいい、
上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには
部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる」と
定義しました。
さらに、パワハラの行為類型として
（１）身体的な攻撃。具体的行為として暴行・傷害、
（２）精神的な攻撃。具体的行為として脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言等、
（３）人間関係からの切り離し。具体的行為として隔離・仲間外し・無視、
（４）過大な要求。具体的行為として業務上明らかに不要なことや遂行不可能
なことの強制、仕事の妨害、
（５）過小な要求。具体的行為として業務上の合理性なく、能力や経験と
かけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと、
（６）個の侵害。具体的行為として私的な事に過度に立ち入る。
の内容を発表しました。
さて、パワハラに関する裁判の一例を紹介すると、有名な判例として日研化学
（現興和創薬）事件（東京地裁２００７年１０月１５日判決）では、
「存在が目障りだ、居るだけでみんなが迷惑している。お前のカミさんの
気がしれん、お願いだから消えてくれ」
「おまえは会社を食い物にしている、給料泥棒」
「どこへ飛ばされようと、おれはお前が仕事をしないやつだと言いふらしたる」
など上司からのパワハラによる心理的負担での自殺を静岡労働基準監督署が
労災として認めなかったケースを裁判で労災と認めた初の司法判断の内容が
あります。
美研事件（東京地裁２００８年１１月１１日判決）では、美容カウンセラーが
上司からの理由のない罵倒やいじめにより退職になり、うつ病になったケース
で会社や上司に対して損害賠償請求をおこし認められた事件があります。
ヴィナリウス事件（東京地裁２００９年１月１６日判決）では、ワイン等の
輸入販売会社の社員が上司から
「結局、大学出てもなんにもならないんだな」
「今日やった仕事を言ってみろ」、
「ばかやろう、それだけしかできないのか。ほかの事務をやっている女の子
でもこれだけの仕事の量をこなせるのに、お前はこれだけしか仕事ができ
ないのか」
と罵倒されうつ病になり自殺未遂になって会社に対して損害賠償請求をおこし
認められた事件があります。
このようにパワハラはいじめ・嫌がらせを行った本人の不法行為責任を問われ
損害賠償などが請求されます。
さらに会社として使用者の安全配慮義務、不法行為責任が問われるケースも
あるので注意が必要です。
会社でどのような行為がパワハラに該当するのかを話し合い、どのように
すれば職場のパワハラをなくすための予防策、そして解決策を労使とともに
話し合い、職場のパワハラをなくすことをしましょう。
◆◇◆ 特定社会保険労務士 東海林 正昭 プロフィール ◆◇◆
【https://www.ecg.co.jp/about/syoji.php?mm=332】
東海林社会保険労務士事務所は、毎月「手作り事務所ニュース」を
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編集後記 副編集長 高塩 吉明
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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
先週あたりから徐々に暖かくなり、ようやく春らしくなってきました。
今年は２月が平年よりも気温が低い日が続いたため、例年よりも桜の開花が
遅れており、現在、九州地方の一部でようやく咲き始めたばかりです。
昨年は東日本大震災の直後ということで、自粛された方も多いのではないで
しょうか。
都心では今週末あたりから桜の開花を迎え、来週末には満開になると予想
されています。
日本は四季を感じる事ができる世界でも数少ない国です。年に一度のこの
季節を満喫してはいかがでしょうか。
次号、第３３３号は４月２日（月）に配信予定です。どうぞお楽しみに！
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