第268号 当たり前の仕組みを見直す、安物買いの銭失い
┏╋━ 知って得する経営塾 ━━━━━━━━ 第268号 2010年10月12日 ━
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╋┛ 発行:榎本会計事務所&イーシーセンター https://www.ecg.co.jp/
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╋┓ 現場叩き上げ執筆陣による中小企業経営コラム
┗╋┓ 経営者、営業、会計、税務、法律といった様々な視点で掲載中
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■□■ 目次 ■□■
問題を解決する -仕組みを見直す- 中小企業診断士 駒井 伸俊
安物買いの銭失い 落語家 三遊亭 金時
編集後記 副編集長 秋葉 和彦
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■□■ お知らせ ■□■
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問題を解決する -仕組みを見直す- 中小企業診断士 駒井 伸俊
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前号では、企業の業務活動の流れに着目して、それぞれの業務活動のどこで強
みや弱みを持っているのか、自社らしさの源を明らかにする『バリューチェー
ン(価値の連鎖)』をご紹介しました。
今号では、既存の業務活動の流れ自体を見直して、新たなビジネスの仕組みを
考えてみましょう。
例えば、パソコンなどを作る製造業を例にとってみましょう。普通、PCを作
る際には、来年どのくらい売れるかどうかを見積もって、それにあわせてPC
を作るのに必要な資材を購入し、製品を作り、出荷して、量販店などで販売し
ます。
一般的に、製造業の主たる業務活動の流れは次のようになっています。
「購買→製造→出荷・物流→販売→アフターフォロー」
ところが、この業務の流れを変えた企業があります。それはデル社です。
デル社の創業者であるマイケル・デル氏は、「販売」を業務活動の流れの先頭
に持ってきました。デル製のPCを買う消費者は、自分のほしい性能のPCを
デルのサイトから注文します。
デル社ではその注文を受けて、必要な資材を購買し、製造します。そして、専
門の物流業者が消費者の自宅に届けます(「出荷・物流」は自社の業務活動か
らは省いている)。
送られてきたPCの操作などで不明なことがあれば、サポートセンターに電話
で問い合わせができるようになっています。
デル社の業務活動は通常の製造業の流れとは異なり、次のようになります。
「販売→購買→製造→(出荷・物流)→アフターフォロー」
デル社では、見積もり生産ではなく、消費者からの注文を受けてから資材を調
達し、製造しているわけです(最近では、一部、量販店での販売も行われてい
るようですが…)。
こうすることで、在庫コストを削減し、低価格でのPCの提供を実現していま
す。これはBTO(Build To Order)と呼ばれる仕組みです。
さらに、「出荷・物流」の活動を第三者にアウトソーシングすることで、物流
コストの低減も実現しています。
このように、当たり前と思っている業務活動の流れを見直してみることで、新
たなビジネスの仕組みが考え出せるかもしれません。
そう言っても、慣れ親しんだ業務活動の流れをそう簡単に変えることは難しい
かもしれません。ただ、考えてみると、業務活動の流れを変える方法は、基本
的には次の4つです。
デル社が「販売」を前に持ってきたように(1)業務活動の順番を変える
デル社が「出荷・物流」をアウトソーシングしたように(2)業務活動を省略
する
前後の業務活動を(3)統合する
新たに(4)業務活動を追加する
(1)順番を変える、(2)省略する、(3)統合する、(4)追加する
4つの視点で、業務活動を見直してみてください。
■□■ 中小企業診断士 駒井 伸俊 プロフィール ■□■
【https://www.ecg.co.jp/about/komai.php?mm=268】
◆◇◆ 駒井 伸俊 著書 ◆◇◆
▼『考えがまとまる!フィッシュボーン実践ノート術』
【http://www.ascom-inc.jp/book/9784776205968.html】
▼『世界一わかりやすい!勘定科目と仕訳のキホン』
【http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2446.html】
▼『年収が10倍アップする!フィッシュ・ボーン ノート術』
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▼『問題解決の実践とカラクリがよ~くわかる本』
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■□■ おすすめ書籍 ■□■
●『自己責任時代を生き抜く知恵 知って得する年金・税金・雇用・健康
保険の基礎知識2010~11年版』 榎本恵一、渡辺峰男、吉田幸司著
【https://www.ecg.co.jp/topics/2001011.php?mm=268】
●『負けない! 営業部主任・藤島あやめ「夢」起業』
榎本恵一(原作)、津田祐次(漫画)
【https://www.ecg.co.jp/topics/post_13.php?mm=268】
●『起業を成功へと導く「経営コーチ」』
LLP藤原KAIZEN研究会編著 藤原直哉監修
【https://www.ecg.co.jp/topics/000568.php?mm=268】
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安物買いの銭失い 落語家 三遊亭 金時
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同じ時期に自転車を2台買った。一台はブリジストン製で3万5千円、もう1
台は国内メーカーだが1万5千円。
かみさんが「私が乗るのはブリジストンじゃなきゃいや!」と生意気なことを
いうので、仕方なく大枚はたいて買いました。
確かにブリジストン社製は乗り心地が格段によい。その上、時間が経つと違い
は如実に現れた。安い方はまず、ベルが壊れた。錆が目立ち始めた。そしてタ
イヤがひび割れてきた。相次ぐパンク。タイヤ交換で5千円ナリ。
一方、ブリジストン製は、というと、全く体制に影響なし。漕いでいて実に爽
やかでよい。やはり、だてに高いわけじゃないんだね。
メーカーの人に聞くと、自転車はフレームは変わらないけど、安くするために
は細かいところで安く上げないと利益が上がらないんだと。そりゃあそうだよ
ね。
建設関係の方に聞いたが、土地の値段は変わらないのだから、建売住宅はどう
したって上物の細かいところで抜かないと稼ぎがでないから、ガタがくるのは
仕方がないそうだ。だからむしろ中古の住宅、マンションの方が安心なんだと
か。
そういえば、私の実家も今から40年前に建て替えた時、なんでも知り合いか
ら「この業者にやらせてやってくれ」と頼まれて作ってもらったが、この業者
今まで建売住宅しか手がけたことがなく、注文住宅は初めてだったそうだ。
はたして出来上がった家、見かけは立派だったが、中は酷いもので、完成後一
ヶ月で天井板がバラバラと落ちてきた。隙間風は凄まじく、夜中、寝ていると
ヒュウヒュウ音がするのだ。やはり安い業者には安いだけの理由があったわけ
だ。
このメルマガでも以前書いたことがあるけど「安物買いの銭失い」とは本当に
よく言ったものだ。やっぱり高いものには高いだけの理由があって、安けりゃ
安い理由がある。
最近よく思うのは、私もよく買うけどユニクロの服なんかワンシーズン着たら
もうヨレヨレになっちゃうけど、いいものは何年も着ることが出来る。
まだ独身の頃、当時付き合っていた女の子(かみさんじゃありません!)に誕
生日プレゼントにもらったバーバリーのセーターも、ダンヒルの鞄も、今だに
現役だ。型崩れもしない。
アパレル関係の人は、生地を見るといいものなのか、安物か、一目でわかるそ
うだ。そういう人はスーツやネクタイよりワイシャツに注目するそうだ。コワ
いね。
我々が仕事でお座敷なんぞへ行くと、女将や芸妓が「まぁー、お師匠さんご苦
労様です。ほほほ…」なんてさりげなく寄って来て、着物や長襦袢を必ずさわ
りに来るんだよ。
どんな着物を着てるか、自分たちも着物が好きだから気になるし、芸人の重さ
を計りに来るのだ。ある芸人が「酒なんぞ掛けられたら嫌だから…。」と座敷
に化繊の着物を着てったら、一目見て女将が口をきいてくれなくなったそうな。
テレビに出ていてもそういう方たちはわかるんだよねぇ。踊りの師匠が「この
間、〇〇師匠をテレビで拝見しましたけど、洗える着物着てましたよね。あま
りみっともいいものじゃあありませんね、あんなに売れてる師匠が…」と言わ
れてドキッとした。
「どうせわからねえだろう…」なんて思っていい加減な着物は着られないね。
安いからって買って、着た為に安く見られたら、それこそ銭失いだ。
昔から「五十の着物に百の帯」と言って、着物は木綿でも帯が凄い、というの
が粋だとされた。これで着物を肩肌脱ぎになると長襦袢が豪華ってのが江戸ク
ールだ。
その時代はお侍が貧乏で、商人が贅沢をしていたから、贅沢を禁じる布令を出
した。そこで町人達は着物は粗末でも中身が贅沢、という面従腹背の抵抗を見
せたのだ。そんなことからこれが江戸の粋ってことになったのだろう。
スーツは青木、シャツはユニクロ、ネクタイはコナカ、ところがパンツはバー
バリーとかね…。見せるチャンスがないか。
流行の安いものをドンドン着ては捨て、着ては捨てするのもいいが、いいもの
を長く着るのもクールだと思う。
うちの金八はその両方だ。安いものを長く着る。以前、三平の襲名パーティの
時、ヨレヨレの水玉模様のシャツを着てきた。「なんだよ、その風疹みたいな
シャツは!!」というと「いやこれ、僕が高校入った時、根室駅前の店で親が
買ってくれたんですよ。」つまり20年来着続けているわけだ。シャツも本望
だろう。
一緒に歌舞伎を見て、帰りに居酒屋へ寄ると椅子席が一杯。お座敷に上がって
驚いた。金八の靴下が穴だらけで、底は擦り減ってスケルトンになっていた。
「なんだよ、その汚ねえ、靴下は!」「いや、今日は靴脱ぐ予定がなかったも
んですから…」そういう問題じゃないと思う。
あまりにもみずぼらしかったので、となりの洋品屋に行って、3足千円の靴下
を買ってやって「すぐトイレで履き替えてこい!脱いだ汚ねえ靴下は捨てて来
い!」「わかりました」
しばらくして帰ってきて「履き替えました」「古いの捨てたか?」「捨てまし
た。」ふと見ると奴の左のポケットが異様に膨らんでいるではないか!
「左のポケット、何が入ってるんだ?」「ハンカチですよ。」「じゃあ、出し
てみろよ。」渋々出すと、さっきの靴下が!彼はまだ履くつもりでいたのだ。
強制的に捨てました。
「あ~あ、まだ履けるのにもったいない…。」と未練たらたらだった。しかし
彼は重宝な男で、捨てようとするとみんな引き取ってくれるので、実にありが
たい。うちの一門の産廃置き場みたいな奴だ。
なにはともあれ、長く使うものはいい物を買ったほうが結果的には安くなるも
のかもしれない。
◆◇◆ 三遊亭金時師匠のホームページ ◆◇◆
ECGチャンネル13ch 三遊亭金時の部屋
【https://www.ecg.co.jp/kintoki/】
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編集後記 副編集長 秋葉 和彦
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いつも当メールマガジンをご愛読いただきましてありがとうございます!
今回の金時師匠のお話は、身近でもよくある話題ですが納得ですね。やっぱり
価格ばかりに注目して損する事は、日常よく話を聞きます。かといって必要以
上に高いものを買えばよいという事でもなく品質を見極めた上でのバランスが
大事ですね。
こういう考えが浸透してくると日本経済も盛り上がってくると思いますが、ま
だまだデフレによる顧客の低価格志向も根強いかもしれません。
ただし、以前中国産の食品が騒がれた時のように、何かのきっかけがあると急
に品質重視ヘと流れが変わる事でしょう。そんな時に急に品質を落とした低価
格路線から高品質路線へ転換する事はかなり難しいと思います。
やはり、普段からいい物を作る、いいサービスを提供するこういった理念に基
づいた経営や社員教育が大事です。
次回第269号は10月25日(月)に配信予定です。お楽しみに!
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番組表はこちら⇒【https://www.ecg.co.jp/blog/?mm=268】
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