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榎本会計事務所の税理士・スタッフたちが、
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第245号 迷走する子供手当・扶養控除、社員教育は10年後の財産

 ┏┿ 知って得する経営塾 ━━━━━━━━ 第245号 2009年11月10日━━
┌╂┘       
┿┛発行:榎本会計事務所&イーシーセンター    https://www.ecg.co.jp/
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│現場叩き上げ執筆陣による中小企業経営コラム
│経営者、営業、会計、税務、法律といった様々な視点で掲載中
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             ■□■ 目次 ■□■

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タックスペイヤーの視点102        税理士・編集長 榎本 恵一

若手社員の教育は10年後の財産    キャリアカウンセラー 吉田 幸司

編集後記                     副編集長 秋葉 和彦

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タックスペイヤーの視点102        税理士・編集長 榎本 恵一

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皆さん、ご無沙汰をしております。税理士の榎本です。秋から冬への移行期間
に入りましたが、今年は、新型インフルエンザ問題がありすっきりしません。
皆様の周りは如何でしょうか。

さて、報道によりますと今年度の税収も40兆円を割り込む見通しとなり、こ
れによる穴埋めを含め赤字国債が50兆円の発行とか。

民主党が8月末の総選挙で、掲げた公約の目玉の一つが『子ども手当』の創設
です。中学生以下の子ども1人につき毎月2万6千円(来年度は半額の1万3
千円)を、全世帯に支給するというものです。

初年度2.7兆円を見込み、その財源の一つとして、所得税の「配偶者控除」
と「扶養控除」の廃止が同時に掲げられています。

「配偶者控除」「扶養控除」とは、扶養する家族や配偶者がいる場合、税金の
計算上、課税前に所得から差し引くことができる「所得控除」のことです。

これらがなくなれば、当然、課税の対象となる所得が増えて課税額も増え、手
取り収入が減ることになるという訳です。

なお、妻がパート等で働いている場合は、妻の給与収入が年間103万円を超
えると夫が配偶者控除を受けられなくなります。俗に言う「103万円の壁」
です。

パート主婦が夫の扶養にとどまり続けるために、この金額以内に年収を抑えよ
うとする傾向があります。

確認ですが、現行の配偶者控除額は38万円です。扶養控除額は1人につき3
8万円ですが、対象者が16歳以上23歳未満の場合は25万円加算され63
万円になります。言うまでもありませんがこれは所得控除であり、税額には直
結するものではありません。
 

それでは税額はいくら変わるのでしょうか?たとえば年収800万円のサラリ
ーマンで試算してみましょう。


妻が専業主婦で中学生の子ども2人の世帯であれば、控除の合計は114万円。
子ども2人とも16歳以上の世帯の場合は、控除額は計164万円となります。

これらの控除がすべてなくなったときの増税額の目安は、中学生の子ども2人
のケースで約23万円、16歳以上の子ども2人のケースで約29万円(その
他の控除は一般的な額で試算)。


ただし、中学生の子どもが2人いるケースの場合、子ども手当の恩恵が2万6
千円×12カ月×2人分で年間計62.4万円(一年目は半額の31.2万円)
となるため、差し引きすれば年収800万円の場合は約39万円が手取り増と
なります(但し、一年目は8万円)。


もう少し、細かく考えると、下記の公立高校の問題もありますが、増税初年度
が中学3年生とか、一人っ子のケースなど無数のパータンが存在し、混乱して
しまうことにもなります。 

しかし、子どもが2人とも16歳以上の世帯に子ども手当の恩恵はありません。

公約には公立高校授業料の無料化や奨学金の拡大もうたわれてはいますが、教
育費が最もかかる時期に、増税が重くのしかかることになることについては、
それ以上の説明はありません。

また、この教育費をどのように手渡すかの説明は今のところありません。


さらに、一番問題なのは、子どものいない家庭に恩恵は全くなく、特に妻が専
業主婦の場合は税金が増えるだけとなります。結局、一番得をするのは中学生
以下の子どもがたくさんいる共働きの夫婦ということになるでしょう。

このようにコメントせざるを得ないのは、子供に対する定義をしっかりと説明
しておらず、精神にも盛り込まれていないせいです。

「わが国は、世界に類を見ない超少子高齢化社会であり、今後の国を支えるの
 は子供達であり、子供は社会全体にとって高貴なものであり、国民全員で支
 えあおう」というコメントすら正式に出ていません。


この状況下で家計を守る一番の方法は、実は妻に働いてもらうことしかないの
です。配偶者控除がなくなれば、夫の扶養でいるために「103万円の壁」を
考慮する必要もなくなる。

妻がどんどん稼ぎ、税金も社会保険料も自分の収入から十分に支払うぐらいに
ならないと、家庭年収を維持するのは難しい時代になりそうです。


最後に財源問題で一言付け加えるなら、無駄なものの定義がしっかりしない中
で執行停止も含むという、兎に角、税源捻出主義に陥ると、国民の期待を裏切
るケースになるのではないかと思います。

経済が悪化しているこの頃、もっともっとやらねばならないことがある事も忘
れてはならないのではないかと思います。


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          ■□■ おすすめ書籍 ■□■
             
 
 ★『なぜこの会社はモチベーションが高いのか』 坂本光司著

    【https://www.ecg.co.jp/topics/post_28.php?mm=245

  この時代、従業員のモチベーションが業績を左右するといっても過言では
  ありません。実際にモチベーションの高い会社への取材により、事例をご
  紹介しております。ちなみに弊事務所の事例も取り上げられております。

 ★『負けない! 営業部主任・藤島あやめ「夢」起業』
                  榎本恵一(原作)、津田祐次(漫画) 

    【https://www.ecg.co.jp/topics/post_13.php?mm=245

  マンガと文章の組み合わせという凝った構成で、気軽にお読み頂けます。
  既に経営されている方はもちろんですが、特にこれから起業をお考えの方
  を応援する内容となっております。

      

 ★『自己責任時代を生き抜く知恵 知って得する年金・税金・雇用・健康保
   険の基礎知識2009年度版』   榎本恵一、渡辺峰男、吉田幸司著

    【https://www.ecg.co.jp/topics/2009_2.php?mm=245

  年金や税金など身近ではありますが、知らなくて損している人が多いかも
  しれません。ちょっとした事ですが知っておくだけで得するケースもあり
  ます。書籍というより辞書みたいな構成なので、長い文章が苦手な方もお
  気軽にお読み頂けます。また、用語の索引付なのでちょっとした調べもの
  にも最適です。
 


 ★『年収が10倍アップする!フィッシュ・ボーン ノート術』駒井伸俊著

    【http://www.forestpub.co.jp/amazon/fish/

  当メルマガでもご紹介した「フィッシュ・ボーン」の活用術が書籍になり
  ました。誰にでも簡単に色々なシーンで活用できます。是非使ってみて下
  さい。     

 ★『起業を成功へと導く「経営コーチ」』
            LLP藤原KAIZEN研究会編著 藤原直哉監修

    【https://www.ecg.co.jp/topics/000568.php?mm=245

  この厳しい時代、これから起業をお考えの方必読!!起業の準備から実務
  までわかる起業家必携の書です。       

                                  
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若手社員の教育は10年後の財産    キャリアカウンセラー 吉田 幸司

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先日、入社3年目までの社員を対象に研修をする機会がありました。参加者の
ほとんどが新卒採用された人でした。年齢で言うと18歳から25歳くらいで
す。彼らに話したのは大きく分けると3つの事です。

1 三つ子の魂百まで。
2 色んなことに興味を持つ。
3 人はなりたいと思う者になりたいと思う欲求がある。

若いうちにこの3つのことを意識するかしないかでは、その後の職業人人生が
大きく変わる可能性があるとも言いました。

もう少し具体的に説明します。


1つ目の、三つ子の魂百までというのは、「社会人となって3年から5年まで
に身につけた基礎知識や仕事のしかた、基本動作などは、その後の社会人とし
ての行動様式や判断基準を大きく左右する」ということです。

例えば、この期間に正しいビジネスマナーを身につけなかった人は、その後も
正しいビジネスマナーを知らずに過ごし、それが社会人として常識外れの行動
であるという認識すら持たないまま年齢を重ねていくことになるのです。

ですから、入社3年目くらいまでには、仕事に対する基礎知識や仕事の仕方や
ビジネスマナーをしっかり身につけておく必要があるのです。このことを「三
つ子の魂百まで」と表現しました。

逆に、入社して3年間くらいは、色んなことの基本を学ぶ期間として認識した
方がよいのかもしれません。


2つ目、色んなことに興味を持つというのは、文字通り、自分の仕事の範囲以
外のことや趣味や学校で学んだこと、政治のこと、経済のことなど一見自分の
生活とは関係のないかのようなことでも興味を持って欲しいということです。

勤続年数が長くなり、会社の中核を担うようになると、おのずと仕事のレベル
は高度になり、その分だけ仕事の範囲は細分化されていきます。仕事上での興
味の範囲もそれにつれて狭く深くなってしまうのです。

それはそれで重要なことなのですが、自分の専門の分野のこと以外は全く知ら
ないとうのは社会人としてどうでしょうか。幅のない人物になってしまう恐れ
があります。

厳しい言葉をつけば、面白味のない人になってしまうのです。この面白味は、
人としての魅力を構成する要素の一つではないでしょうか。なので、若いうち
に興味の範囲を広く持つことは、重要なことだと考えるのです。


最後の「人はなりたいと思う者になりたいと思う欲求がある」というのは、マ
ズローの欲求5段階説の自己実現の欲求のことです。

若いということ、経験が浅いということは、可能性がそれだけあるともいえま
す。しかも、なりたい者になることを制約する経済的、社会的要因が少ないの
が若い時期です。

今、なりたい者を自分で見つけることは、それになれる可能性が比較的高いと
いうことでもあるのです。

ということで、今のうちになりたい者を見つけ出して、それに向けて歩み出す
ことが求められると説いたのです。


もし、まだ若手社員の教育に着手されていないのであれば、できるだけ早く教
育を受けさせてあげてください。若い時期の教育はその後の社会人人生を変え
るくらいに影響力があります。

そしてそれは、10年後に会社の人材力の差となって現れることになるのです。


    ■□■ 人事戦略研究所 吉田 幸司 プロフィール ■□■ 
   【https://www.ecg.co.jp/about/yoshidakouji.php?mm=245

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      ■□■ 弊事務所ホームページのおすすめ ■□■


◆『EKI(榎本会計経営インデックス)』
  榎本会計事務所が発表する中小企業の経営指標です。
  実際に聞いてきた中小企業経営者の本音・ナマの声をお届けします。
     【https://www.ecg.co.jp/blog/eki.php?mm=245

      近々直近月分を更新予定です。お楽しみに!  


◆榎本会計事務所『会計用語集』
  内容は随時更新しております。税法の規定から実務まで簡単に解説してお
  ります。ちょっとした調べものにも最適です。
     【https://www.ecg.co.jp/blog/glossary.php?mm=245


◆決算診断サービスを行っております。経営の見直しとしてご活用下さい。
     【https://www.ecg.co.jp/service/000297.php?mm=245

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編集後記                     副編集長 秋葉 和彦

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いつも当メールマガジンをご愛読頂きまして、誠にありがとうございます。

また事情により一日遅れの配信となってしまい、配信をお待ち頂いていた読者
の皆様、大変申し訳ありません。
        
前号まで巻頭のお知らせにてご案内しておりました藤原直哉先生を講師にお迎
えしての『2010年を展望するセミナー』ですが、去る11月7日に終了い
たしました。たくさんの方にご参加頂きましてありがとうございました。

今回のようにご好評頂いているセミナー等の開催にあたっては、また一人でも
多くの方にご参加頂けるようご案内をしてまいりますので、宜しくお願い致し
ます。


さて、今年は何処にいっても安売りが目立ち、消費者も財布の紐が固くなって
いるようでしたが、最近、繁盛している会社は二極化してきているように感じ
ます。

もちろん価格で勝負して集客しているところもありますが、ある程度の価格設
定(どちらかといえば高め)の会社が好調のようです。

やはり商品・サービスの品質にこだわりをもって経営をされていますので、価
格はそれなりになるのですが、不況だからこそ納得したものにお金を使いたい
という意識が働いているようです。

高品質・高価格はもちろん望ましい事ではありますが、これまで価格で勝負し
てきたのであれば急な方向転換は難しいと思います。

もちろんお金をかけずとも接客や対応力、ちょっとした事でも、品質を上げら
れる余地はいくらでもあると思います。これ以上の過度な価格競争を選ぶより
はチャンスは多くあるはずです。意識してみてはいかがでしょうか。


次回第246号は11月24日(火)に配信予定です。お楽しみに!


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 らご登録予定の方もすぐに移行手続が必要になってしまいますので、別の配
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