知って得する経営塾 第147号
[目次]
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“売る”を考える(9) 中小企業診断士 駒井 伸俊
労務管理の基本(13) 社会保険労務士 石井 和加子
編集後記 副編集長 秋葉 和彦
[掲示板]
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歳時記
2月 7日 北方領土の日
2月10日 海の安全祈念日
2月16日 天気図記念日
2月17日 ノアの洪水の日
[“売る”を考える(9) ?意識を向ける?] 中小企業診断士 駒井 伸俊
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前回は、営業のストーリー作りのための有効な商談スキルであるSPINR式
の概要をご紹介しました。
SPINR式とは、商談の中で、顧客に対して、効果的に質問を投げかけるこ
とで、顧客の潜在的な(隠れている)ニーズを顕在化させ(浮き彫りにし)、
問題解決に向けた意識付けをする提案型の営業手法です。
SPINR式は、質問を効果的に活用することによって、顧客の隠れたニーズ
を浮かべあげる一連のプロセスでした。
まず、状況質問(Situation Questions)、
問題質問(Problem Questions)、
さらに示唆質問(Implication Questions)、
そして、解決質問(Need?payoff Questions)です 。
まず、“状況質問(S)”について考えて見ましょう。状況質問は、端的に言
ってしまうと、顧客を理解するための質問です。
例えば、(1)「現在、お使いのパソコンは何台ですか?」(2)「どのよう
な保険に入っていらっしゃいますか?」(3)「今の車は何年くらい乗ってい
ますか?」といった顧客の現状を把握するための質問です。
“状況質問(S)”は、売り手が買い手である顧客のことを知りたくて質問す
るわけですから、売り手が買い手に一方的に質問する形式が多くなります。売
り手にすると、聞きたいことを聞くわけですから、売り手にとっては貴重な時
ですが、買い手である顧客にとってはある意味で一文の得にもならない無駄な
時間です。
ですので、質問の数はできる限り絞るのがポイントです。当たり前ですが、事
前に調べればわかることなどは事前に調べておくべきです。
次に、“状況質問(S)”で把握した顧客の状況に対する問題や不満を聞く“
問題質問(P)”です。顧客の潜在的なニーズを明確にするステップです。
ここでは、顧客に隠れている問題点に気づいてもらうための質問を投げかけま
す。その質問によって、現状の不完全な状況、不安、不満を顧客自身に口に出
してもらうのです。“状況質問(P)”は、御用聞き営業から提案型営業へ向
う重要な質問となります。
例えば、前述の3つのパターンのうちの1つですと、(1)「複数台のパソコ
ンをお使いとの事ですが、現状のセキュリティー対策はどのようにされていま
すか?」といった感じです。
売り手は、提供したい商品やサービス(例えば、セキュリティ関連のソフト)
について、常に考えているわけですが、ほとんどの場合、買い手は日常の中で
そんなこと(例えば、セキュリティ関連のソフト)に目を向けていません。
そこで、“問題質問(P)”で、そちらの方向に意識を向けてもらうわけです。
「あぁ、セキュリティてなんかしてたっけ・・・」という具合です。
(2)(3)の例は次回に・・・。
◆中小企業診断士 駒井伸俊プロフィール
【https://www.ecg.co.jp/partner/000208.php?mm=147】
[労務管理の基本(13)?メンタルヘルスと労務管理について?]
社会保険労務士 石井 和加子
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前回、過重労働が原因で心身のバランスを崩し精神面の不調が現れることも
あるとの話をさせて頂きましたが、もちろん精神面の不調は過重労働だけが
原因ではありません。
やはり労働者を取り巻く環境が年々厳しくなり続けていることも原因の一つ
でしょう。例を上げれば、産業構造の変化、企業活動のグローバル化、成果
主義の浸透などがあります。
では、労働者が精神面の不調から病気になり、職務の一部、または全部を履
行できなくなった場合、労務管理においてはどのような処置が考えられるで
しょうか。
先ずは、就業規則等による「休職規定」を整備しましょう。
1.「休職」に該当するまでの欠勤期間に関する規定を作成しましょう。
第○条 社員が次の各号のいずれかに該当する時は、休職とする。
1 業務外の傷病のため、引き続き○ヵ月を超えて欠勤したとき。
2.「休職期間」に関して、労働基準法の定めはありませんが、勤務年数に
より休職期間を分けているケースもみられます。心の病の場合は回復状
況が人によって異なる為、個別に対応できるように定めておきましょう。
第○条 休職期間は次のとおりとする。
勤続年数1年未満・・・・・・・1カ月
勤続年数1年以上3年未満・・・3カ月
勤続年数3年以上・・・・・・・6カ月
ただし、状況によりこの期間を延長する場合がある。
3.休職期間中の待遇を決めておきましょう。休職期間中は賃金を支給しな
い会社が多いようですが、退職金等の計算等にはその期間を通算する会
社が一般的です。
4.復職する場合の要件を決めておきましょう。復職する条件として、主治
医の診断書、または会社の産業医の診断による結果を要件としましょう。
休職期間が満了しても、通常勤務に耐え得る状況まで回復しないケース
に対応できるよう、休職期間満了による自動退職の規定を作っておくこ
とも必要です。
5.職場復帰の際の慣らし勤務規定も、規定を作っておきましょう。
6.何度も休職と復職を繰り返す場合もありますので、対応できるように同
一疾病による休職回数の制限に関する規定をつくりましょう。
以上が休職規定に関する事項です。
精神障害等の労災認定はどうでしょう。
脳・心臓疾患及び精神障害等の請求事案は、業務上外の判断が相当に困難で、
判断のための調査事項も多岐にわたります。平成15年度についての厚生労
働省の報告によりますと、精神障害等の労災補償状況は、請求件数438件
に対し、認定件数が108件と平成11年以降大幅に増加しました。
請求から認定までの期間が約10ヶ月になっています。
他には、うつ病など心の病気の回復には、本人を支える周囲の協力が必要で
すので、社内にカウンセラーを置くことや、社員のメンタルヘルスに対する
教育も必要でしょう。
メンタルヘルスの問題は、対処を誤ると労使間のトラブルになり、会社に大
きな損失を与える可能性があります。早めに対処法を整備されることをお勧
めします。
◆社会保険労務士 石井 和加子プロフィール
【https://www.ecg.co.jp/partner/000259.php?mm=147】
[編集後記] 副編集長 秋葉 和彦
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いつも当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
早いものであっという間に1月も終わり、もう2月ですね。還付申告も始まり
まして、いよいよ個人の確定申告の時期がやってきました。
特に給与所得のあった方で年末まで働かれていない方は注意して下さい。
計算すると所得税がかからないのに、年末調整をしていないため源泉徴収され
ている所得税が納めたままになってしまっているケースがよくあります。
確定申告という簡単な手続きで納めすぎた税金は戻ってきます。何もしなけれ
ば絶対に戻ってきませんので、該当する方は確定申告にチャレンジしてみまし
ょう!
次回は2月20日(月)に配信予定です。お楽しみに!
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まえて内容も表紙もリニューアルされていますので、是非お手にとって見て
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