知って得する経営塾 第113号
[目次]
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タックスペイヤーの視点55 税理士・FP 榎本 恵一
中小企業診断士の独り言 中小企業診断士 伊地知 克哉
編集後記 副編集長 秋葉 和彦
[掲示板]
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歳時記
9月29日 日中国交正常化の日
10月 1日 法の日
10月 6日 役所改革の日
10月10日 まぐろの日
[タックスペイヤーの視点55] 税理士・FP 榎本 恵一
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皆さんこんにちは、やっと長い夏が終わりそうな気候となってきました。あと
4日で10月、今年も残すところ3月となります。本日決まる、自民党の内閣
改造が終わりますと、いよいよ、来年に向けた税制論議が出てきます。
巷の噂では、
1.定率減税の圧縮・縮小・廃止
2.給与所得控除の縮小
3.ゴルフ会員権の損益通算廃止など・・・
上記は、まだ噂の段階ですので、本格的に決まり次第メルマガにて記載します。
さて、上記の根底は、税制調査会基礎問題小委員会が平成16年6月にわが国
経済社会の構造変化の「実像」についてのレポートに隠されている。その中の
テーマは、家族を始め、今後のわが国の経済社会は、成熟後、標準から多様に
推移していくことを示している。
※税制調査会基礎問題小委員会のレポートはこちらを参照してみて下さい
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/160622.htm
この多様化の社会においては、今までの、いわゆる日本型雇用形態である終身
雇用制度が崩壊している現在の姿を映し出しているとも言える。雇用形態の多
様化やフリンジ・ベネフィット(企業内福祉)、更に幅広い選択肢としてのカ
フェテリアプランなど様々な給与の支給形態が存在しており、現行の給与等を
巡る問題点が今後の所得税法上のあり方にも変化をもたらす可能性が出てきて
いる。
具体的な事象としては、退職金前貰い制度の導入企業の増加による事実上の退
職金そのものの廃止や年金制度構築に関しても、大企業を中心に日本版401
Kが浸透してきている。この制度の特徴の一つがポータビリティー制度(いわ
ゆる企業間の持ち運び可能)である。確定給付型年金制度から確定拠出型年金
制度への移行は、年金問題のみならず、退職金のあり方そのものに変化をもた
らす。
また、フリーター人口の増加が示すように、今後は多様な生き方のスタイルが
容認される時代に突入している。給与所得者間の税金の負担が軽減されるもの
など、個人の事情により不公平感が生じてきている。このような中、政府はプ
ライマリーバランスの観点から給与所得控除圧縮論を浮上させてきている。サ
ラリーマンの必要経費といわれる給与所得控除は、約3割あり、余り気にする
ことなく、今まで計算上使われている。国民の間には、将来、消費税の税率ア
ップがある事は、周知の事実になりつつあるが、この給与所得控除の圧縮・縮
小問題は、もしかしたら寝耳に水だと思われる。
この問題は、相当な大きな問題であり、この観点からも今後も追跡してみたい。
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[中小企業診断士の独り言?企業経営と「かんせい」について?]
中小企業診断士 伊地知 克哉
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「かんせい」という文字から、どのような漢字をイメージされますか?ちなみ
に、パソコンでキーを叩いてみると、「完成、歓声、閑静、感性、慣性…」な
どが変換候補として出てきます。企業経営においては、「組織が完成されてい
る」「仕事が完成した」といった使い方をすることがあります。
仕事柄、経営者の方々に「企業経営で一番気を付けることは何だと思いますか」
と質問することがあります。色々な答えが帰ってくるのですが、私は「慣性に
気を付けて下さい」と申し上げています。
これは、企業経営を「慣性の法則」に例えてのことです。ご存知のとおり、慣
性の法則は物体の運動に関する基本的な法則です。「静止または直線運動して
いる物体は、力が作用しない限り、その状態を持続する」というものです。
具体的な例で考えましょう。自動車を会社として、経営者を運転手とします。
従業員は乗員です。車が大きくなれば乗員もたくさん乗せることができます(
雇用促進)。そして、運転手(経営者)が安全運転(健全経営)をしていれば、
事故を起すことなく前進し続けられます(会社存続)。
しかし、道路(経営環境)は変化していますから、それに対応できないと事故
(会社倒産)になります。また、事故を長年起さず運転していると(安定経営
)、運転に慣れてしまい、ちょっとした脇見運転や気の緩みから歩行者の飛び
出しに気がつくのが遅れ、歩行者を撥ねる結果(顧客ニーズを見誤る)を招き
かねません。さらに、車(会社)のメンテナンスを怠るとエンストやパンクも
します(企業不祥事)。
車を順調に走らせていると、物理的には自分の体が移動していても、車(会社
)という人間(経営者)の能力を超えた速度で走っている物体を制御できない
ことを、いつの間にか忘れてしまいます(慣性)。そして、速度が出ていれば
いるほど(会社が成長しているほど)、制御できなくなるのです。
顧客から支持され会社が成長し、勝利の「歓声」をあげ、「完成」された組織
だと思い込むと、悪しき「慣性」の中に入り込みます(変化を拒み、現状が未
来永劫続くと錯覚する)。そして、そのために事故を起してしまうと、債権者
をはじめ誰も寄り付かない「閑静」な状態になってしまいます。
企業経営は、会社の規模を大きくすることだけが目的ではないはずです。しか
し、昨今の経済界を見ていると、合併や経営統合をすれば合理化が図れるとい
う、ワンパターン(20世紀型)の経営が目立ちます。これからの企業経営は、
機動的に対応できる最適な組織を追及することが求められています。
その意味で、経営者の方々には、「企業経営に完成された形というものはなく、
企業経営の継続性を保つこと(良き「慣性」)を目指す「感性」ある経営者で
あってください」とアドバイスをしています。
人(会社)は意思によって動きます。環境変化に強い組織とは、経営者が何ら
指示を与えなくても(物体のように「力が作用しなくても」)、自ら時宜を捉
えた行動ができるかどうかということでしょう。
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[編集後記] 副編集長 秋葉和彦
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いつも当メールマガジンをご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
冒頭の歳時記にもありますように、10月6日は役所改革の日です。先日私の
知人から聞いたとある警察のお話です。車上荒らしにあいキャッシュカードを
盗まれた方が交番に相談に行ったところ、車上荒らしにあった場所が管轄外だ
からということで門前払いされたという事があったようです。同じ都内なのだ
から連絡をとるくらいはしてくれたっていいのにとその方は呆れてしまったそ
うです。最近また警察の不祥事等がニュースを騒がせていましたが、役所改革
ということでなんとかして欲しいものです。定率減税の廃止等で増税になる見
込みですし、せめて行政サービスだけでも少しはマシになってもらいたいもの
ですね。
次回は、連休明けの10月12日(火)配信予定です。お楽しみに!
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