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榎本会計事務所の税理士・スタッフたちが、
税務・会計・経営コラム・用語集など、経営者のヒントを発信!

知って得する経営塾 第105号

┏━━━━━━━━━┓ ┃知って得する経営塾┃ 第105号 2004年6月7日 ┣━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃発行:榎本会計事務所&イーシーセンター https://www.ecg.co.jp/ ┃ info@ecg.co.jp ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃現場叩き上げ執筆陣による中小企業経営コラム ┃経営者、営業、会計、税務、法律といった様々な視点で掲載中 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


[目次]
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タックスペイヤーの視点51           税理士・FP 榎本 恵一
年金制度改革(6)              社会保険労務士 石井 和歌子
編集後記 副編集長 森本正博


[掲示板]
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歳時記
 6月10日 時の記念日
 6月11日 国立銀行設立の日
 6月15日 信用金庫の日
 6月17日 砂漠化および干ばつと闘う世界デー


[タックスペイヤーの視点51]      税理士・FP 榎本 恵一
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いよいよ、関東地方も入梅ということで、約一ヶ月強ジトジト日が多いと思う
と憂鬱ですね。私は、先週の後半、北海道に研修で行っておりまして、あちら
は基本的に梅雨知らずですのでこれからはいい時期ですね。
さて、あっと言うまに年金関連法案が参議院を通過してしまいました。やり方
等様々な意見は皆さん持った筈です。この意見は7月の参議院選挙でぶつけま
しょう。

よくよく考えても全く中身の議論がない年金関連法案ですが、年金の難しい所
は現在受給されている人がいることと2008年をピークに団塊の世代が退職
に達する年齢になることです。60歳定年制から65歳定年制に変更した会社
も多数存在すると思いますが、この60歳という年も細かく見ていくと色々と
意見があるようです。結論的には、小泉首相じゃありませんが人生色々なので
す。
例えば、
1.今までは根気が続いてきたが、あと5年頑張るというのはシンドイ。
2.今までは病気一つしなかったのにこの2?3年色々な所がギクシャクする。
3.全く健康状態は良好であり、若いものには負けられない。
4.個人的な理由で働かないといけない様々な理由が存在する。
5.もしかしたらこの答えが一番多いのかも知れませんが、『60歳であれば
  何とか今までに経験していない仕事に取り組めるかもしれないが、65歳
  ともなると・・・・』

上記の世代にはこのように様々な理由があるのです。この『知って得する経営
塾』はお陰さまで約2,700名の登録がありますが、こちらからは老若男女
の割合が分かりませんのでなかなか難しい問題です。

私の世代は全く年金に魅力がなくなってしまう世代です。この世代に多い意見
は、脱退権です。自分のことは自分でやるからと考える方が多いのでしょうか。
この辺りの議論になりますと国民皆年金制度の話しになってしまいます。
そうです、国民全員が強制的に何らかの年金に加入しなければならないのです
が、政治家を筆頭に特に人気がない国民年金の未納率たるや大変なものです。
今回の国会を通過した法案では、このような中身の議論が希薄ですので、国民
全員が将来のライフプランが立てられない状態となっています。

この様な事が反映してか、お陰さまで今月半ばに『自己責任』時代のサバイバ
ルブック(どうなる雇用、年金、税金)の改訂版が出版されることになりまし
た。この中には前回より更に自己責任論を詰め込んでおります。この本は巷に
ありますノウハウ本ではありません。これからを生き抜くためのメッセージ本
であり、自己責任でまとめ上げた本ですので、是非一度お読み頂いて、今後の
人生の生き方の参考にして頂ければ幸いです。

最近、多くの方から、企業は無責任だから『個、個人』がしっかりしないと難
しい世の中だよねと話しかけられます。全く同感です。考えていない方が多す
ぎます。誰も助けてくれない時代です。是非とも、個人ベースで一回しかない
人生をどう過ごすか考えれば少しは良い国になるのではないかと思います。

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[年金制度改革(6)]          社会保険労務士 石井 和歌子
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今国会、最大の焦点の年金改革関連法が5日午前の参院本会議で、すったもん
だした挙げ句、やっと可決・成立をしました。「百年安心」と政府が胸を張っ
ても、「どこが?」としか思えない内容で、取り敢えずは悪化する年金財政の
出血を絆創膏で止血したような感じでしょうか。

厚生年金の保険料を18.3%まで引き上げ、給付水準は現役世代の手取りの
収入(決して各人の定年退職時収入の50%ではありません。)の50%以上
を確保する約束も、政府が出している前提条件の予測の甘さには驚くばかりで
す。これだけ国に対する不信感が増大した中で、国民年金の未納率が、現在の
4割から、3年後には2割に改善するとは、誰も信じることができません。

いやはや、「百年安心」と言われても、「百年後」は、今の議員さん達は多分
この世にはいらっしゃらない。もちろん、我々もこの世にはいないので、誰も
その真偽を確かめられないということでしょうか。

しかし、今回の年金改革関連法のおかげで、今まであまり関心のなかった公的
年金に国民の関心が向けられたのは確実です。議員の保険料未納問題で肝心な
一元化の審議は後回しにされましたが、少なくとも年金制度の複雑さは国民に
アピールできたようですし、社会保険庁の民間では考えられないサービスの無
さも露呈しました。これで少しは年金制度の一元化を含む社会保障制度全般の
一体的見直しに加速がつくでしょう。

さて、今回の年金制度改正の1つに「遺族厚生年金の見直し」があります。

現行の遺族厚生年金は、厚生年金に加入している会社員が死亡した場合などに、
一定の支給要件を満たした遺族に支給されますが、その遺族が妻の場合は、国
民年金の遺族基礎年金と違って、年齢や子供の有無などにかかわりなく、いっ
たん受給すると再婚をしない限りは原則として一生受給できるようになってい
ます。そうすると、若いときに夫を亡くした妻は、遺族厚生年金を受給しなが
ら、長い長い人生を過ごすことになります。

そこで、今回の改正では、その年金財政の負担を軽くする為にも、また、保障
の必要性が高い対象者に給付を重点化したい考えもあり、若い妻に対する遺族
厚生年金の支給が改正されます。

【改正点】
★ 2007年4月以降は、夫を亡くした時点で妻が30歳未満だった場合、
 18歳未満の子供がいなければ、5年間で遺族厚生年金の給付を打ち切りま
 す。
★ また、子供のいない妻などに一定の支給要件を満たした場合に、遺族厚生
 年金と一緒に40歳から65歳まで支給されていた「中高齢寡婦加算(年額
 約60万円)」の受給要件を厳しくし、夫が亡くなった時点で妻が35歳以
 上という条件を40歳以上に引き上げます。

もう一つの遺族厚生年金の見直しは、共働きの女性が会社員だった夫を亡くし
た場合、老後に妻自身の老齢厚生年金を受給するか、夫の遺族厚生年金を受給
するか選択することになっています。現在は夫の賃金が妻の賃金より遙かに高
かったことが多く、約8割が夫の遺族厚生年金を選択しています。夫の遺族厚
生年金を選択すると、妻自身が払ってきた厚生年金の保険料が結果掛け捨ての
状態になります。そこで、今回の改正では次のようになります。

【改正点】
★ 共働きをしていた女性は自分の老齢厚生年金をまず全額受け取り、その金
 額が夫の遺族厚生年金より少ない場合には、その差額を遺族厚生年金で受給
 します。

これによって女性の保険料掛け捨て状態は回避されましたが、結局は名前が変
わっただけで、受給額は現行制度で夫の遺族厚生年金を選択したのと同じです。
気持ちの問題が大事だということでしょうか。

次回は、年金セミナー等で必ず尋ねられる「離婚持の厚生年金分割」のお話を
しましょう。

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[編集後記] 副編集長 森本正博
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いつも、当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
早いもので、もう6月ですね。一年の半分が終わろうとしています。皆さんは
ご自分の計画通り進んでいますか?進んでいない人は、あと半分で何とか巻き
返すようにがんばりましょう!

さて、私は仕事で北海道に行ってきました。北海道はこの時期、梅雨がありま
せんからいいものでした。但し、涼しいかと思ったら、日中は、夏日でかなり
暑かったです。もちろん、朝晩は涼しかったですが・・

北海道でタクシーを利用したときに、運転手さんから、「東京の景気はどうで
すか?」と尋ねられました。運転手さんによると、北海道は拓銀ショックから
立ち直れていないとのことでした。そこで一言「北海道出身の力のある政治家
がいないからかなぁ?」とこぼしていました。地方にとっては、政治家の政治
力が財政や地域社会に大きな影響を与えているのだなと実感しました。東京に
住んでいると、あまり感じないことが、地方に行くといろいろ見えてくる。そ
んなことを思いました。

次回は、6月21日(月)です。お楽しみに!

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