中小企業経営塾 第51号
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■ 目次
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▼掲示板
▼タックスペイヤーの視点15 税理士・FP 榎本 恵一
▼超入門・ビジネス会計(3) 中小企業診断士 駒井 伸俊
▼グローバル化が進む中での地域統合の必要性(3) MBA 長友 孝幸
▼その他にもある雇用保険のメリット AFP 小林 義和
▼芸術は人を感動させるが 落語家 三遊亭金時
▼編集後記 副編集長 小林 義和
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■ 掲示板
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歳時記
10月 8日 寒露
10月10日 目の愛護デー
10月14日 体育の日
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■ タックスペイヤーの視点15 税理士・FP 榎本 恵一
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今号のタックスペイヤーの視点では、最近急増しているアウトソーシングにつ
いて考えてみたいと思う。企業を起業した時や企業が急成長した時には、なか
なか目の前の作業が行えず、タイムリーな判断が出来ない場合が多い。特に私
が専門の経理関係に関しては、経理担当の従業員が退職したり、高コスト依存
体質から脱却する為に経理のみの作業の人件費を倹約する向きがある。
大量生産・販売と大企業システムの成立以来、ノウハウを含めた経営資源(ヒ
ト・モノ・カネ・情報等)を自社に確保しその経営資源を最大限に活用するこ
とが、大企業の戦略であった時代には、人材やベンダー、流通チャネルなどを
自社のコントロールのもとにおく囲い込み型経営(持つ経営)は、成功したと
思われる。
昨今では、オープン化の経営の浸透により、持たない経営が盛んである。持た
ない経営即ち、アウトソーシングの利点は数多くあるが、一言で表現すると、
内部組織に頼らず外部資源を活用することであり、そのメリットは、それぞれ
の企業が自分の得意な分野に集中できることである。専門特化によって、企業
は採算の悪い部門の固定費から解放される他、研究開発費なども重点配分が可
能となる。組織が簡素化され意志決定が迅速になるなどのメリットもある。
オープン化経営の利点として、次のようなことも言えるはずである。オープン
化により『持たない』・『外部資源を利用する』と言うことは、裏返しにする
と、自社の【中核能力】は何かということを明確に理解し、その能力を最大限
に発揮し、資源を集中投下することで、企業内部が充実することである。
他にも様々な利点があるがその中で、私は、特に『人』と『技術』の観点から、
アウトソーシングの利点が強調できると思う。この利点としては、次のような
ものがいえるのではないであろうか。
1.自社が保有していない人材、技術力の導入
2.最先端スキルの継続的維持
3.新しいキャリアパスの創造等
営業戦略上、必要となった人材や技術が社内に存在せず、かつ、緊急性がある
場合、採用出来る戦略は、中途採用を行うか、M&Aで企業買収を行うか、アウ
トソーシングを実行するかのいずれかである。この場合に手軽にそして安全に
行える手法がアウトソーシングではないであろうか。
◆TI(テキサス・インストルメント社)のアウトソーシングは、経理・研修な
どの専門的な知識の必要な領域の外部化も、適切なアウトソーサーを選定する
ことにより、新しいケイパビリティを獲得し、企業体質の改善と市場での競争
力を強化することが可能になる。当然、コアビジネス以外のスキルを継続的に
最先端レベルに維持することは簡単ではない。TI社の技術においては、非常に
速い速度で技術革新がおこなわれており、これを常に最新の状態に保つことは
情報テクノロジーを専門的に扱っている企業以外は不可能に近い。力量のある
アウトソーサーは、最新の技術力を持ち、業界やグローバルな情報により、常
に最先端のスキルを提供することができるため、無理をして、維持の困難な技
術を自社内に保持するよりも、外部資源を活用し、総合的な企業力を高める努
力をしている。
今の時代は「個」の集合体であるのだから、利点領域の拡大として、現在では、
情報システムから経理・人事などの業務に広がりをみせている。当初、単なる
低価格志向で出発した関係が、経営環境の変化で現在では、品質面の要素が加
わり、契約関係から協力関係に移行していくことにより、企画、計画、実施と
いったプロセス全体を包含した広い視野で、両者が一致し、リスクと成果を共
有する戦略パートナーになっていける点(利点)に私は魅力を感じる。
榎本会計事務所
https://www.ecg.co.jp/firm/?mm=51
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■ 超入門・ビジネス会計(3) 駒井 伸俊
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-決算書-
会社の仕組みは、継続的に続いていくこと(ゴーイングコンサーン)が前提と
なっています。そのため、会社の経営成績や財政状態を明らかにするには、ど
こかで人為的に経営活動を区切る必要があります。通常、1年で区切っていま
すが、その区切りを会計期間といいます。
これはある意味、学校と同じです。学校では、4月になれば始業式、3月に終
業式があります。会社でいえば、始業式が期首で、終業式が期末ということで
す。学校では、終業式にその1年の成績がついた通信簿をもらいますが、会社
では、会社の1年の経営活動の成績をつけた決算書をもらうわけです(学校で
は通常、年に3回、通信簿をもらいますが、会社では1回です。学校の方がタ
イムリーな情報開示(i)をしているといえるかもしれません)。
それでは、決算書といわれるものには、どんなものがあるのでしょうか? 一
般に決算書とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、営業報
告書、利益処分計算書、付属明細書といった様々な表から成り立っています。
その中でも、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書が重要です。
まず、貸借対照表から見てみましょう。貸借対照表は、会社の財政状態を示す
表です。財政状態とは、大雑把に言ってしまうと、今、会社にはどれくらいの
財産があって、どれくらいの借金があるかということです。ですから、貸借対
照表を見れば、この会社が金持ち会社なのか、貧乏会社なのかの大まかな見当
はつきます。
貸借対照表は、バランスシートとも呼ばれ、資産の部(表の左側)、負債の部
+資本の部(表の右側)に大きく分かれます。
表の右側(負債の部と資本の部)を見ると、どこから資金を持ってきたか(資
金の調達源泉)がわかります。負債の部には、人から借りてきた資金が載って
います。つまり、いずれ返さなくてはいけないものです。例えば、銀行からの
借入金や社債権者からの社債などです。一方、資本の部には、自分たちで稼い
だ儲けが載っています。
さて、貸借対照表の左側の資産の部に目を移しましょう。資産の部は、貸借対
照表の右側で調達した資金がどのように使われているかを示しています。例え
ば、商品、有価証券、建物などです。
次号は、もう少し詳しく、貸借対照表を見ていきましょう。
i)会社においても、四半期決算(3ヶ月に1度)をするところが増えてきまし
た。
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■ グローバル化が進む中での地域統合の必要性(3) MBA 長友 孝幸
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今後の状況は
日本企業にとってコストを抑えることが可能な海外生産は、経済活性化に不可
欠なものになっています。特に東アジア圏内における需要創出には中国、アジ
アNIESやASEAN地域を前提とした自由貿易協定の締結(市場統合)は
低迷する日本経済にとって重要な役割となります。
今年6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針
2002」における経済活性化戦略には、グローバルな環境の中での日本経済の活
力を取り戻すために、多くの国、地域との経済連携を深め、自由貿易協定を促
進すると掲げています。
世界的に広がりを見せている自由貿易協定の締結は、経済活動のフィールドを
拡大させ、より大きなビジネスエリアの構築を可能にしています。資金需要、
サービス需要など多くのビジネス機会も創出され、締結している国、地域の企
業は自国から輸入部品、原材料を調達して、国際事業を優位に展開しています。
しかし、自由貿易協定が締結されていないために、FTAを締結している国、
地域の企業に比べて、日本企業が不利な状況が続いている場合もあります。メ
キシコを中心とした中南米では、現地の日本企業から実害が報告されています。
ご存知のように、国際的に優位性をもつ日本製品(自動車用鋼板、タイヤなど)
についても、メキシコ市場では関税格差の影響によって、その市場シェア失う
可能性があると指摘されています。直接的なコストアップにつながる関税格差
は、日本からの部品や原材料の輸入を後退させ、FTAの効力で競争力をつけ
ているEU、米国、カナダの企業に優位に働いています。
確かに、FTAの先進国であるメキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)、
欧州連合(EU)、G3自由貿易圏による貿易転換によって、その輸入に占め
る日本のシェアは低下(94年6.1%⇒02年3.7%)し、設備(発電プラント)等
の受注も減少しています。
対米輸出基地としての立地、31カ国とFTAを結び、構造改革の一環として貿
易・投資を推進しているメキシコ政府の方向性は、中南米諸国におけるビジネ
ス展開だけでなく、東アジアにおける展開を考える上で、参考となりうるケー
スとして捉えられます。
米国、ヨーロッパ、とともに世界経済の三極をなすアジアには、NAFTAや
EUに匹敵するような自由貿易協定(地域統合)の動きはまだ見られません。
東南アジア諸国を中心としたASEAN自由貿易地域(AFTA)成立の動き
がありますが、アジア全体のGDPに占めるASEANの比率は小さく、中国やア
ジアNIESを含めた市場統合は動きまでに発展していません。
ならばアジアの先進国である日本が、アジア地域統合の中心的な役割を担うよ
うに、自らの手で迅速にアジアの統合を進める必要があるのではないでしょう
か。その如何にとっては、FTAの効力による国際的な競争力の強化は、日本
経済に優位な風を吹かせることになると考えられます。今後、日本はアジアを
代表するFTAの先進国になることが重要です。
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■ その他にもある雇用保険のメリット AFP 小林 義和
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公共職業訓練校のメリットを数回に渡って紹介してきました。その他にもある
雇用保険のメリットを紹介します。
少子化問題が深刻ですが、出産にまつわる手当や給付はかなりお得になってい
ます。まず、出産があると産まれた子供一人につき30万円が健康保険から支給
される「出産育児一時金」があります。子供の出産には結構出産費用がかかり
ますので、その負担の足しに支給され、働いていない女性でも夫の健康保険、
または、国民健康保険から支給されます。
出産前後は会社を休むことになるのですが、この間給料を支払うかどうかは会
社の裁量に委ねられています。この部分で会社から給料が貰えない人は健康保
険から「出産手当金」がもらえます。支給額は産休開始前の給料日額の60%。
通常は産前の42日(6週間)+産後の56日(8週間)の98日分と結構な額にな
ります。この手当金は女性だけに支給される制度です。
さて、ここからが雇用保険のメリットです。産休後そのまま育児休暇に入ると
今度は雇用保険から「育児休業基本給付金」が貰えるようになります。「育児
休業基本給付金」は1歳未満の子供を養育するために休業し、そのために会社
から給料が貰えない、もしくは減額されてしまう場合にその期間の収入を保証
してくれるというものです。結局トータルで1年2ヶ月近くもの間休業してい
ても手当てが貰えることになります。給付額は休業前の給料の30%、休業前の
2年間に賃金支払い基礎日数が11以上ある月が12ヶ月以上あることが条件です。
また、育児休業が終了すると休業開始前の給料の10%×育児休業基本給付金の
支払月数を「育児休業者職場復帰給付金」として職場復帰の6ヶ月後に貰えま
す。
働く女性に対して制度は整っているのですが、現在の中小企業に出産の為とは
言え長期間の休業を簡単に認められる体力のあるところはそう多くはありませ
ん。ただし、こういった制度があることをご存知でない方もいらっしゃるので、
しっかりと制度を活用しましょう。
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■ 芸術は人を感動させるが 落語家 三遊亭金時
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最近、ボランティア活動を始めた。何のボランティアか、というと、落書き消
し。最近街中でよく見かけるやつ。実に目障りだし、不愉快だし、汚らしいし。
書いてる野郎はどういうつもりなんだろう。どうにかならないか、と思ってい
たらテレビで「落書きをアっというまに消す機械」というのを紹介していた。
強い水圧と重曹で落書きを吹き飛ばしてしまうという代物。
早速その渋谷工業なる会社をインターネットで捜し出して聞いてみると、機械
は一台300万円!!! とても手が出ない。渋谷工業の方に相談すると「当社の
機械を購入して落書き消しを商売にしてる会社がある」とのこと。その方にお
会いして剥離剤、というのを譲ってもらって地道に近所から消して歩いている。
結構、重労働。しかし、家の壁やシャッターに書かれたところはとても喜んで
くれるし、この間はステンレスの橋げたに書かれたのを消していたら、通りが
けの人に随分お礼を言われた。
子供は大人になる過程で「社会がどこまで悪さを許すのか探る時期」があると
思う。タバコから始まって酒、万引き、自転車泥棒・・・。落書きもそのひと
つなんでしょう。何でも、仮に捕まえても軽犯罪ですぐ許されるという。書か
れた方も「消したってまたすぐやられるから」とあきらめてる人もいるそうだ。
いけませんね~! 賽の河原のようですが少しずつ範囲を広めようと思ってい
ます。
書く奴に言わせると「あれはアートだ」という。芸術は人を感動させるが落書
きは人を不愉快にさせる。アートだ?? 冗談言っちゃいけねえぜ!
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■ 編集後記 副編集長 小林 義和
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自宅近くに区民農園があり、収穫の時期を迎えています。そんなに広い区画が
与えられているわけではありませんが、ナスやピーマンなどがところ狭しと実
をつけていました。今年は、結構出来が良いらしく、週末は家族全員で収穫の
喜びを味わっているようです。丹精込めて作った野菜、さぞかし美味しいんで
しょうね。
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