定額減税から引ききれないと見込まれる場合の「調整給付」の概要とQ&A
納税者と扶養親族(配偶者を含む)1人につき、令和6年分の所得税から3万円、令和6年度分の個人住民税均等割から1万円を控除する定額減税が実施されていますが、減税しきれないと見込まれる方には調整給付が実施されます。
◆調整給付の概要
定額減税の対象(令和6年分所得税もしくは令和6年度個人住民税所得割が課税されている方)であり、定額減税可能額が令和6年分推計所得税額(令和5年分所得税額を基にした推計額)又は令和6年度分個人住民税所得割額を上回ると見込まれる方に対して、個人住民税を課税している自治体(市町村)が給付額を算定の上、以下のように調整給付の支給を実施します。
◎当初給付
令和6年夏以降、令和5年の所得状況(所得税・個人住民税)に基づき、定額減税で引ききれないと見込まれるおおむねの額が支給されます。
◎不足額給付
令和6年分の所得税と定額減税の実績額が確定した後、上記の当初給付では不足する金額があった場合は、令和7年以降に追加で支給されます。
◆調整給付(当初給付)の算定
調整給付額は、①所得税における控除不足額と、②個人住民税における控除不足額の合計額を1万円単位で切り上げて算出します。例えば、①+②が0円超1万円以下の場合は1万円、1万円超2万円以下の場合は2万円が調整給付額となります。
①所得税分控除不足額の算出
【定額減税可能額3万円×減税対象人数】-【令和6年分推計所得税額(令和5年分所得税額)】
②個人住民税分控除不足額の算出
【定額減税可能額1万円×減税対象人数】-【令和6年度分個人住民税所得割額】
◆Q&A
Q.給付給付を受け取る場合は手続きが必要?
A.調整給付の対象者には個人住民税を課税している自治体(市町村)から支給に関する確認書等が送付されます。申請方法は自治体によって異なりますが、マイナンバーカードを利用したオンライン申請、インターネット申請、確認書による郵送申請などにより手続きを行います。
Q.住宅ローン控除等の適用を受けている場合は調整給付はどうなる?
A.住宅ローン控除等の税額控除が行われた後の所得税額及び個人住民税所得割額から、定額減税で引ききれないと見込まれる額を支給します。
Q.令和6年中にこどもが生まれ、扶養親族の数に変更があった場合、調整給付はどうなる?
A.扶養親族の数が増えたことにより、令和6年夏以降に支給された当初給付額に不足があることが判明した場合は、令和7年以降の不足額給付において、差額が給付されることになります。なお、個人住民税の定額減税額は、令和6年度個人住民税の扶養親族数(令和5年12月31日の現況による)に基づいて算定されるため、令和6年中に扶養親族数に変更があった場合でも変動はありません。
※確定申告を行わない給与所得者は、年末調整までに扶養控除等申告書等の提出が必要となります。
Q.調整給付の対象者が亡くなった場合はどうなる?
A.調整給付の支給にあたっては、対象者が「受け取る」旨の意思表示(受贈の意思表示)を行う必要があるため、本人が確認書の返送をするなどの給付を受け取る旨の意思表示をする前に亡くなった場合は支給はされないこととなります。
Q.所得税額はあるが個人住民税所得割額はない(又は所得税額はないが個人住民税所得割額はある)場合、調整給付はどうなる?
A.定額減税の対象であり、所得税と個人住民税所得割のいずれか一方が課税されている場合、税額がない方についても定額減税で引ききれない額を給付することとしています。例えば、令和6年分推計所得税額2万円、令和6年度個人住民税所得0円の1人世帯の場合は、所得税分控除不足額1万円(定額減税可能額3万円-税額2万円)、個人住民税分控除不足額1万円(定額減税可能額1万円一税額0円)で調整給付額は2万円となります。