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退職手当等に係る課税の取扱い

 退職手当等は、長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払られるものであることなどから、退職所得控除や1/2課税、他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなるよう取扱いが優遇されています。

◆退職所得とは
 退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、確定拠出年金法に規定する企業型年金規約または個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金なども退職所得とみなされます。
また、労働基準法第20条の規定により支払われる解雇予告手当や賃金の支払の確保等に関する法律第7条の規定により退職した労働者が弁済を受ける未払賃金も退職所得に該当します。

◆退職所得金額の計算方法
 退職所得の金額は、原則として、退職手当等の収入金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた残額に1/2を乗じた金額となります。
ただし、特定役員退職手当等(※1)に該当する場合は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得金額となり、1/2課税の適用はありません。
 また、短期退職手当等(2)に該当する場合は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を差し引いた額のうち300万円を超える部分について、1/2課税の適用はありません。
※1役員等として勤務した期間が5年以下である者が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。
※2役員等以外の者としての勤続年数が5年以下である短期勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもので、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。なお、短期勤続年数に該当するか否かの判定において、役員等勤続期間がある場合には、その期間を含めて判定を行います。

退職手当等の区分 課税退職所得金額
一般退職手当等 (収入金額一退職所得控除額)×1/2
特定役員退職手当等 収入金額一退職所得控除額
短期退職手当等 【収入金額から退職所得控除額を差し引いた額が300万円以下の場合】 (収入金額一退職所得控除額)×1/2
【収入金額から退職所得控除額を差し引いた額が300万円超の場合】 150万円+(収入金額-(300万円+退職所得控除額)}

◎退職所得控除額の計算方法
 退職所得控除額は、勤続年数に応じて次のように計算します。なお、前年以前に退職手当等の支払いを受けている場合や、同一年中に2か所以上から支払いを受ける場合などは、計算が異なることがあります。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下の場合 40万円×勤続年数 ※計算後の金額が80万円に満たない場合は、80万円
20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数20年)
※勤続年数に1年未満の端数がある場合は、1年に切り上げて計算します。 ※障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記により計算した金額に100万円を加算した金額となります。

◆税額の計算方法
 退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算し、退職所得金額に応じた所得税及び復興特別所得税の額を求めます。
 なお、退職手当等の支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、その退職手当等の支払の際に退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、退職手当等の支払金額から20.42%の所得税等が源泉徴収されますので、確定申告を行い所得税等を精算します。

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