ECGチャンネル

榎本会計事務所の税理士・スタッフたちが、
税務・会計・経営コラム・用語集など、経営者のヒントを発信!

「取引相場のない株式」の評価方法の概要

 取引相場のない株式(上場株式及び気配相場等のある株式以外の株式)は、相続や贈与などで株式を取得した株主が、その会社の経営支配力を持っている同族株主※か、それ以外の株主等かの区分により、それぞれ原則的評価方式又は特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。
※同族株主とは、議決権割合が30%以上であるグループ(株主とその株主の同族関係者)に属している株主をいいます。

◆原則的評価方式
 原則的評価方式には、類似業種比準方式と純資産価額方式があります。

◎類似業種比準方式
 類似業種比準方式は、評価しようとする取引相場のない株式の発行会社(評価会社)と事業内容が類似する業種目に属する複数の上場会社(類似業種)の株式の株価の平均値に、評価会社と類似業種の1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額及び1株当たりの純資産価額(簿価純資産価額)の比準割合を乗じて、取引相場のない株式の価額を評価する方式です。

◎純資産価額方式
 純資産価額方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。

◎会社の規模による区分と評価方式
 原則的評価方式は、評価する株式を発行した会社を総資産価額、従業員数、及び取引金額により大会社、中会社、小会社のいずれかに区分して、原則として大会社は類似業種比準方式、中会社は類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式、小会社は純資産価額方式で評価しますが、「容認される評価方式」を用いることもできます。
※従業員数70人以上は大会社となり、従業員数70人未満は、従業員数を加味した総資産価額基準と取引金額基準のいずれか上位の区分により会社規模を判定します。

規模 原則的な評価方式 容認される評価方式
大会社 類似業種比準方式 純資産価額方式


大類似業種比準価額×90%+純資産価額×10%
類似業種比準価額×75%+純資産価額×25%
類似業種比準価額×60%+純資産価額×40%
小会社 純資産価額方式 類似業種比準価額x50%+純資産価額×50%

◆特例的評価方式(配当還元価額方式)
 配当還元方式とは、過去2年間の平均配当金額を10%の利率で割り戻して、株式の価額を求める方式です。同族株主以外の株主及び同族株主のうち一定の少数株式所有者が取得した株式については、会社の規模にかかわらず配当還元方式によって評価をします。

◆特定の評価会社の株式の評価
 次のような特定の評価会社の株式は、原則として(1)から(5)は純資産価額方式、(6)は清算分配見込額により評価します。なお、(1)から(4)の会社の株式を取得した同族株主以外の株主等については、配当還元方式により評価します。
(1)類似業種比準方式で評価する場合の3つの比準要素である「配当金額」、「利益金額」、「純資産価額(簿価)」のうち直前期末の比準要素のいずれか2つがゼロであり、かつ、直前々期末の比準要素のいずれか2つ以上がゼロである会社(比準要素数1の会社)の株式
(2)株式等の保有割合(総資産価額中に占める株式、出資および新株予約権付社債の価額の合計額の割合)が一定の割合以上の会社(株式等保有特定会社)の株式
(3)土地等の保有割合(総資産価額中に占める土地などの価額の合計額の割合)が一定の割合以上の会社(土地保有特定会社)の株式
(4)課税時期において開業後の経過年数が3年未満の会社や、類似業種比準方式で評価する場合の「配当金額」、「利益金額」、「純資産価額(簿価)」の直前期末の比準要素がいずれもゼロである会社(開業後3年未満の会社等)の株式
(5)開業前または休業中の会社の株式
(6)清算中の会社の株式

ECGチャンネル アーカイブ

ECGチャンネルトップに戻る

榎本会計事務所のセミナー・研修

榎本税務会計事務所への
お問い合わせ

税理士と経営コーチが経営者を支援します。まずはご連絡ください。


主な対応地域
墨田区(両国.錦糸町.業平橋.菊川.曳舟.向島...)、中央区(東京.銀座.日本橋.築地.月島.勝どき...)、台東区(浅草橋.秋葉原.浅草.上野.蔵前.御徒町...)、江東区(門前仲町.木場.東陽町.南砂町.清澄白河.森下.住吉.亀戸.大島...)、葛飾区(新小岩...)、江戸川区(平井.小岩...)、その他の東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城