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法人版事業承継税制の特例措置の概要

事業承継税制は、経営承継円滑化法に基づく認定のもと、会社や個人事業の後継者が取得した一定の資産について贈与税や相続税の納税を猶予する制度で、非上場会社の株式等を対象とする「法人版事業承継税制」と、個人事業者の事業用資産を対象とする「個人版事業承継税制」があります。
令和4年度税制改正により、法人版事業承継税制の特例措置に係る特例承継計画の提出期限が1年延長され、令和6年(2024年)3月31日までとなりました。また、令和4年4月1日に施行された民法の成年年齢引下げに伴い、贈与認定の後継者の年齢要件が18歳以上となりました(令和4年4月1日以降の贈与について適用)。

◆法人版事業承継税制の概要
・法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、経営承継円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度で、「一般措置」と平成30年度税制改正において10年間(平成30年~令和9年)の措置として創設された「特例措置」があります。・本制度の適用を受けるためには、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定を受け、報告期間中(原則として贈与税又は相続税の申告期限から5年間)は代表者として経営を行う等の要件を満たす必要があり、その後は、後継者が対象株式等を継続保有すること等が求められます。
・贈与税の納税猶予中に贈与者が死亡した場合には、猶予されていた贈与税は免除された上で、贈与を受けた株式等を贈与者から相続等により取得したものとみなして相続税が課税されます(贈与時の価額で計算)。その際、都道府県知事の確認(切替確認)を受けることで、相続税の納税猶予を受けることができます。

●「一般措置」と「特例措置」の主な違い
法人版事業承継税制における「一般措置」と「特例措置」の基本的な仕組みは同様ですが、以下のような違いがあります。
◎事前の計画策定等
一般措置も特例措置も適用の前提として経営承継円滑化法の認定を受ける必要がありますが、特例措置に関して認定を受けるには、後継者や承継時までの経営見通し等を記載した「特例承継計画」を策定し、認定経営革新等支援機関の所見を記載の上、令和6年3月31日(改正前は令和5年3月31日)までに都道府県知事に提出し、確認を受ける必要があります。
※贈与又は相続後でも、円滑化法認定の申請時までは「特例承継計画」を提出することが可能です。
◎適用期限
一般措置に適用期限はありませんが、特例措間は最初の贈与又は相続等による非上場株式等の取得について平成30年1月1日から令和9年12月31日まで間の取得が要件とされています。
◎納税猶予の対象株数
一般措置は会社の発行済株式総数の2/3までとする上限が設けられていますが、特例措置に上限はなく、全株式が対象となります(議決権に制限のない株式等に限る)。
◎納税猶予割合
一般措置は対象となる非上場株式等に対応する贈与税の100%、相続税の80%が猶予されますが、特例措置は、相続税・贈与税とも100%が猶予されます。
◎承継パターン
一般措置の後継者は1人に限られますが、特例措置は最大3人の後継者が対象となります。
◎雇用確保要件
一般措置は承継後5年間平均で贈与時又は相続時の雇用の8割を確保することが納税猶予の継続要件とされていますが、特例措置では雇用確保要件を満たすことができなかった場合に、その理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、確認を受けることで納税猶予が継続できます。
◎事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除
特例措置には、会社の事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合に特例措置の適用に係非上場株式等を譲渡等したときは、その対価の額(譲渡等の時の価額の1/2が下限)を基に猶予税額を再計算し、その再計算した金額と一定の配当等の金額との合計額が当初の猶予税額を下回る場合には、その差額を免除するなどの措置が設けられていますが、一般措置に免除措置はありません。

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