令和7年4月 (又は令和7年分)から開始となる
主な税制等
令和 7 年度税制改正法案は、 所得税の基礎控除引上げに係る修正を行った上で令和7年3月 31 日に成立しました。 これにより、 令和7年4月 (又は令和7年分)から始まる主な税制には 次のようなものがあります。
◆所得税の基礎控除及び給与所得控除の最低保障額の引上げ
・所得税の基礎控除については、合計所得金額が2,350 万円以下である個人の基礎控除の額を 10万円引上げて58万円とした上で、合計所得金額 655万円以下 (給与収入 850万円相当以 下)の場合は次のように控除額を段階的に加算する 「基礎控除の特例」 を創設します。 なお、1は 恒久措置となりますが、 2~4は令和7年分及び8年分の時限措置となります
各年分における合計所得金額 ( ) 内は給与収入の金額 | 加算額 | 控除額(58万円+加算額) |
①132万円以下 (給与収入 200万円相当以下) | 37万円 | 95 万円 |
② 132万円超 336 万円以下 (同 200 万円超 475万円以下) | 30万円 | 88 万円 |
③ 336万円超 489 万円以下 (同 475 万円超665万円以下) | 10万円 | 68万円 |
④ 489万円超 655 万円以下 (同 665 万円超 850万円以下) | 5万円 | 63 万円 |
・令和7年分以後の所得税に適用しますが、 施行日は令和7年12月1日となります (給与所得 者の場合は令和7年12月の年末調整で適用)
◆特定親族特別控除の創設
・居住者が生計を一にする 19 歳以上23歳未満の親族等の合計所得金額が58万円 (給与収入 123万円相当) を超えて控除対象扶養親族 (合計所得金額が58万円以下の場合は特定扶養親族 に該当)に該当しない場合でも、合計所得金額 85 万円 (同 150万円相当) まで特定扶養控除 と同額の63万円を控除でき、合計所得金額 123万円(同188万円相当) まで段階的に逓減さ れた控除額を適用できる 「特定親族特別控除」 を創設します。
・令和7年分以後の所得税に適用します (給与所得者は令和7年12月の年末調整で適用)。
※同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件は58万円以下となります。
◆NISA (つみたて投資枠) におけるETFの買付方法
・NISA (つみたて投資枠) におけるETFの買付方法について、 令和7年4月1日から定額買付 による最低取引単位を1万円以下に引上げます。
・また、従来の定額買付に加えて設定金額内で取得可能な最大口数での買付を可能とします。
◆事業承継税制における後継者の役員就任要件等の見直し
・法人版事業承継税制の特例措置について、 贈与時における後継者の役員就任要件 (株式の贈与日 まで3年以上継続して役員等である) を見直し、 「贈与の直前において承継会社の役員等であるこ と」 とします。
・個人版事業承継税制についても 「贈与の直前において事業等に従事していること」 とします。
・令和7年1月1日以後の贈与について適用します。
◆中小企業経営強化税制の延長・見直し
・中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を取得等した場合に即 時償却又は取得価額の 10% (資本金3千万円超は7%)の税額控除が選択適用できる制度につい て、適用期限を令和9年3月末まで2年延長した上で、 生産性向上設備 (A類型) 及び収益力強 化設備 (B類型) の指標の見直しや、デジタル化設備 (C類型) の廃止などを行います。
・また、 収益力強化設備 (B類型) に売上高100億円超を目指す中小企業に係る拡充措置を創設 します。
◆先端設備導入に係る固定資産税の課税標準の特例措置の延長・見直し
・中小企業等経営強化法に規定する先端設備等導入計画に基づき、 中小事業者等が取得する生産性 向上や賃上げに資する一定の機械・装置等に係る固定資産税の課税標準の軽減措置について、適用 期限を令和9年3月末まで2年延長した上で、同計画に雇用者給与等支給額を 1.5%以上引上げ る方針を位置付けることを要件に加えます。
・雇用者給与等支給額を 1.5%以上引上げる方針を位置付けた場合は取得した機械装置等の固定 資産税を3年間 1/2 としますが、 雇用者給与等支給額を3%以上引上げる方針を位置付けた場合 は、5年間 1/4に軽減します。