令和6年10月以降の短時間労働者に対する社会保険適用拡大Q&A
◆概要
令和6年10月1日から、特定適用事業所における企業規模要件が「厚生年金保険の被保険者の総数が常時51人以上」の企業等となり、特定適用事業所で働くパート・アルバイト等の短時間労働者は4分の3基準(週の所定労働時間及び月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上)を満たさない場合でも、一定の要件を満たす方は厚生年金保険・健康保険の加入対象となります。
そのため、新たに特定適用事業所となる「被保険者数51人以上100人以下」の企業等は、社会保険の加入対象となる短時間労働者を把握した上で、対象者への説明や被保険者資格取得届の提出などの対応が必要となります。
◆Q&A
【特定適用事業所に関するQ&A】
Q.特定適用事業所に該当するか判断する際の厚生年金保険の被保険者に短時間労働者は含まれる?
A.適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数(共済組合員を含む)になり、適用拡大の対象となる短時間労働者や70歳以上で健康保険のみ加入している方は対象に含めません。
Q.厚生年金保険の被保険者の総数の判定は?
A.法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数で判定します。また、個人事業所の場合は、適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者の総数によって判定します。
Q.被保険者の総数が「常時51人以上」とは、どのような状態を指す?
A.直近12ヵ月のうち6ヵ月以上で被保険者の総数が51人以上であることが見込まれる場合です。
Q.施行日(令和6年10月1日)から特定適用事業所に該当する場合はお知らせ等はある?
A.令和5年10月以降の6ヵ月以上で被保険者の総数が51人以上の事業所や、5ヵ月で51人以上であることが確認できる事業所(令和6年9月までに1ヵ月以上51人以上であれば該当する場合)には、日本年金機構からお知らせ等が送付されます。
Q.施行日以降に特定適用事業所に該当する可能性がある場合は?
A.直近11ヵ月のうち5ヵ月で被保険者の総数が51人以上となり、特定適用事業所に該当する可能性のある事業所に対して、日本年金機構からお知らせが送付されます。
Q.被保険者の総数が50人以下となった場合はどのように取扱われる?
A.引き続き特定適用事業所であるものとして取り扱われます。ただし、使用される被保険者の3/4以上の同意を得たことを証する書類を添えて、特定適用事業所不該当届を提出した場合は特定適用事業所に該当しなくなったものとして扱われます。なお、不該当届は被保険者数が50人以下となった日以後であれば提出可能です。
【短時間労働者に関するQ&A】
Q.社会保険の適用対象となる短時間労働者とは?
A.特定適用事業所で働くパート・アルバイト等の短時間労働者で4分の3基準を満たさない場合でも、1週の所定労働時間が20時間以上であること、2所定内賃金が月額8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)であること、32ヵ月を超える雇用の見込みがあること、4学生でないこと、の全てに該当する方は社会保険の加入対象者となります。
Q.就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間は週20時間未満だが、恒常的に実際の労働時間が週20時間以上となった場合は?
A.実際の労働時間が2ヵ月連続で週20時間以上となり、引き続き20時間以上見込まれる場合には3ヵ月目から社会保険の加入対象になります。
Q.「所定内賃金が月額8.8万円以上」の算定対象となる賃金とは?
A.算定対象は基本給及び諸手当で判断しますが、1臨時に支払われる賃金(結婚手当等)21月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)3時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)4最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)は、算入されません。
Q.「学生でないこと」とはどのような者を指す?
A.学生とは、主に高等学校や大学などに在学する生徒又は学生が該当しますが、休学中の者や定時制課程及び通信制課程に在学する者その他これらに準じる者は学生から除かれることとなります。