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「金馬のいななき」出版にあたり


父、金馬が芸歴65周年を迎えた。

それを機に本まで出版することになった。

どうしてそういうことになったかというと、私のもう一人の父、と言うべき仁木さんという方が一緒に飲む度「師匠の昔話をなんかのかたちで残しといてやれよ、死んじゃったら戦前の寄席の様子なんか知っている人いなくなっちゃうんだから…」確かにそうだ。

たまに一緒に飲んでると「昔、こんな師匠がいた」とか「あのときあの人がこんなことを言ってた」なんて話をする。

聞いていて本当に興味深い話があった。

先のこぶ平兄さんの正蔵襲名のパーティで海老名香葉子さんがウチの親父に「うちのおじいさん(七代目正蔵師匠、三平師匠のお父さん、昭和22年没)ってどんな人だったの?もう落語界で知っている人、金馬さんしかいないのよねェ」と話していたそうだ。

私も何とか残そうといろいろな人に話したがどれもうまくいかなかった。


ある日、河野洋平さんからお呼び出しを頂いて、そこでお会いしたのが朝日新聞論説主幹の方。

本に出来ないかと話をするとじゃあ今度朝日新聞本社で会いましょう、ということになって後はトントン拍子に話が進んで出版ってことになった。

こんなに上手く進行するとは思わなかったが無事、3月17日に出版、親父の誕生日の19日に出版と芸歴65年と喜寿とを併せて祝う会をやった。親父は本当に嬉しそうでパーティの最中「そんなにはしゃぐなよ!」と言いたくなるくらいでした!

肝心の本の中味だが、手前味噌ながら実に面白い!先代金馬師匠の素顔、戦争中の寄席の様子、『お笑い三人組』の裏話、落語協会分裂の秘話など、落語に興味のない人でも充分楽しめます。

特に戦争中、若手落語家で林家照蔵さんという方がいたそうで、将来を嘱望されていたが間もなく出征して戦死したという。師匠の七代目正蔵師はガッカリしていた、という。

この平和な世に生まれて落語が出来ること、志半ばで戦死した大先輩に感謝である。一読の価値有!


最近そんなわけでプロモーターみたいなことばかりやっている。

今は鈴本演芸場でその記念特別興行、4月30日は江戸東京博物館でやはり記念落語会、5月13日から6月11日まで親父と先代の師匠のコレクションを展示する。

親父は大変な収集癖があり特にスクラップはすごい。先代もやはりそういう趣味を持っていてこれらを展示する予定だ。

その期間中、毎週土日12:00と13:30私も落語をやってます。

是非ご来場下さい!
◆本文中の、朝日新聞社より出版されました著書
 「金馬のいななき 噺家生活六十五年」三遊亭金馬著
 【http://opendoors.asahi.com/data/detail/7267.shtml】


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