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2006年11月の記事

2006年11月27日

<粗忽の釘>の陣!


「金時寄席の案内ありがとう。ネタ『鰍沢』は良しとしてもうひとつが『粗忽の釘』とはなんだ。手を抜くもんじゃあない!」

というお叱りのお手紙を頂いた。

この『粗忽の釘』という噺、確かに前座噺に毛が生えた程度のネタでそれ程大ネタではない。それをあえて独演会で出すのは違うのではないか?とおっしゃりたいのだろう。

なにも手を抜いているわけではない、しかも二席ともネタ卸なのだ。

初めて高座に掛けるというのは非常に恐い。どこでどういうウケ方をするかわからないしペースもわからない。

とても勇気がいるのだ。

それに言わせて頂ければ人情噺より滑稽噺の方が数段難しい。よく考えてもらいたい。

喜怒哀楽の中で泣かせたり悲しませる方が簡単だ。楽しませたり笑わせる方がずっと難しい。それに人情噺をやった方が「いや~、泣かされましたよ…」なんて言われてけっこう評判がいいことが多い。

ある程度の話術さえあれば人情噺の方が楽な一面がある。本を素読みにしたって泣けるもんに節をつけるんだから。


親父も「寿限無」が一番難しい、と言ってたし先代の金馬師匠はよく『子ほめ』という代表的な前座噺でトリを勤めてらした。

物凄い力だ。

先代の小さん師匠もこれまた前座噺の名作『道灌』で寄席をハネてた。

その噺で客を満足させてしまうんだから素晴らしいと思う。しかもそでで聞いている我々が思わず笑ってしまうんだから落語は凄い。

この手紙を下さった御仁、落語にはかなり詳しい方であるが、長講一席とか大ネタとか珍しい噺をしていると「こいつは勉強してる」と思う方で先日も、とある二ッ目が前座噺をやったら客席から大きな声で「真打も近いのになんでそんな噺をやるんだ!真打を返上しろ!」と怒鳴って他のお客様から大顰蹙を買ったり、黒門亭で騒いだりといろいろある方だ。


まあ、人それぞれだから色んな考えがあって然るべきだが客席から怒鳴るのはルール違反だと思う。

○○さん、落語家にとって一番難しいのは滑稽噺だし、みんなが知っている噺で満足させられれば凄い事なんですよ。

落語通は認めますがちょっと違うんじゃぁないですか?

滑稽噺をきっちりやる、ってのはほんとに大変なんですよ。


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