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[01/17]更新!
ハドソン川の奇跡は感動しました。「リーダーシップとは何か」と訊かれたら、あの不時着と救出劇を見れば、誰でもすぐに理解できることでしょう。救助にあたったフェリー会社の従業員は、メディアのインタビューで「考えるより行動していた」と語っていました。そうなのです。真のリーダーシップ力は、まさに「不測の事態」が起きたときに、考えるより適切な行動ができるかどうかなのです。平時においては決められた規則どおりに物事を進めればよいのですから、それはマネージメント力が問われます。これに対してリーダーシップ力は、「100年に一度の危機」と言われるようなときにこそ、その真価が問われるのです。機長は、「絶対、一人の犠牲者も出さない」という気持ちで操縦していたのではないでしょうか。限られた飛行時間と限られた着水場所の中で、あれだけの不測事態に対応できたのですから、なんとすばらしいことでしょう。
国内に目を向けると、「100年に一度の危機」だから、「今すぐ2兆円あげるから、少し自分でお金を加算して消費しろ。そして、3年後には消費税を上げる」というリーダーでは、今年も景気回復はあり得ませんね。そもそもばらまく2兆円は誰のお金だったのでしょうか。しかも、財政出動が必要だから国債発行も増やすのですから、何ら危機感を持っていないことがよくわかります。100年に一度の危機といいますが、では100年前の経営者は何を拠り所にして経営をしていたのでしょうか。100年前といえば、経営学が産声を上げた頃です(だから経営者が迷ったときに参考にできるのに…)。そうです、今の時代には様々な経営理論がありますが、100年前といえば経営理論らしきものは無かったのです。ようやく、1911年にテイラーの「科学的管理法」が出版され、多くの企業が「成行き的管理法」からの脱却を始めた頃です。しかし、この科学的管理法は労働者を機械視した考え方であったため、労働者からの反発にあって衰退していきます。しかし、昨今の大企業のリストラ策を見ていると、まさに科学的管理法を未だに続けていたことがよくわかります。もうじき春闘ですが、そろそろ「テイラーの呪縛」から逃れて「経営における労働の未来」を考えないと労使双方とも疲弊するだけです。
さて、テイラーと同じく100年くらい前に鉱山会社を経営していた経験から、管理論を提唱したのがファヨールという人です。ファヨールは「14の管理原則」を提唱しました。それは、経営者なら関心のあること、経営者が関心を持たねばならないこととして、1.分業、2.権限と責任、3.規律、4.命令の一元性、5.指揮の一元性、6.個人的利益の全体的利益への従属、7.報酬、8.集中化、9.階層化、10.秩序、11.公正、12.従業員の安定、13.創意、14.従業員の団結、以上14の原則を提唱しました。そして、この原則が効果的に実行されるために必要なことが、「予測し、組織し、命令し、調整し、統制する」ことなのです。もう気づいている方もいるかと思いますが、そうです、今日多くの企業で実践されている「Plan→Do→Check→Action」の管理サイクルの原型となる考え方です。誰でも知っているこの管理サイクルは、実は100年前に管理原則として提唱されていたのです。
ということは、100年に一度の危機と言いますが、経営の原理原則はそれほど大きく変わることなく実践されていたということです。にもかかわらず、かような厳しい経営状況に至っているということは、この管理原則が間違っているということではなく、経営者が使い方を誤っているということです。冒頭で触れたリーダーシップに関する内容が、14の管理原則に見出せるでしょうか。経営破たんやリストラをせざるを得ない企業は、14の管理原則を状況に応じてうまく経営に生かしきれていないのではないでしょうか。新たな年に、今一度、この管理原則で経営を内省してみてはいかがでしょうか。
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