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めざせ業績UP!企業経営者のための中小企業経営コラム。現場叩き上げ執筆陣が、営業・会計・税務・法律など様々な視点から執筆。隔週発行。

知って得する経営塾 第448号『縮小する結婚式市場、日本一に急成長した情報サイトの秘密 理念共有優先の超アナログ経営』

[07/22]更新!

★☆★ 既刊情報 ★☆★

ワーク・ライフ・バランスを越えて 働き方が変わる 会社が変わる!

不況の中でも元気に業績を伸ばしている企業があります。
業績が右肩上がりの企業とそうでない企業とでは、どこが違うのか。
このシンプルな疑問に答えを出しました。
 
本書では、今、元気あふれる企業をピックアップし、その事例の中から
元気の源を探ってみました。その結果わかったことは、それらの企業には
“ワーク・ライフ・ハピネス"という考え方が根底にあるのです。
“ワーク・ライフ・ハピネス"が中小企業の元気の“素"だったのです。
 
業績不振に悩む中小企業の経営者、管理者の目からウロコ本です。

 

 

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縮小する結婚式市場、日本一に急成長した情報サイトの秘密 
理念共有優先の超アナログ経営
ビジネス・プロデューサー 鈴木 領一

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アベノミクスの経済効果もあってか、景気回復の傾向が報じられている。
一方で、業績が上向かず苦しい経営を強いられている企業も少なくない。
そのような不安定な経済状況の中、
着実に成長を続ける企業はどこに秘訣があるのだろうか?
 
ビジネスプロデューサーとして多くの企業に関わってきた鈴木領一氏が、
業績を伸ばしている企業を取材し、独自の視点で成功の秘訣を解き明かす。

理念を掲げて変化に挑み、長期間にわたって優良であり続ける企業を
「ビジョナリー・カンパニー」という。

「ビジョナリー・カンパニー」は、利益優先ではなく価値観の共有を優先し、
会社が掲げた高い理念の下に社員全員がまとまり、理想の実現へと邁進する。

経営学者ジム・コリンズが不屈の名著『ビジョナリー・カンパニー』(日経BP)
を1995年に世に送り出して以来、理想的な企業を形容する名称として
「ビジョナリー・カンパニー」の呼称が認知されてきた。

今回ご紹介する企業は、今後日本を代表する「ビジョナリー・カンパニー」
となる可能性を秘めた会社であり、
不況を突破していくヒントが詰まった会社である。


●縮小するウエディング市場で右肩上がりの成長

その会社の名前は、株式会社ウエディングパーク。

聞きなれない社名だと思った読者も多いだろう。
本当に優秀な企業は派手に目立たないものである。
ウエディングパークは、結婚式場案内のクチコミ情報サイト
「ウエディングパーク」を運営する会社である。

2004年にウエディング業界で初めて結婚式場の評判をサイトに掲載する
クチコミサービスを開始し、14年4月に契約式場件数が1900件を突破した。
媒体が異なるので単純比較はできないが、
リクルートが発行する結婚情報誌「ゼクシィ」の式場掲載件数(1900件)
を上回り、実質的に日本一の式場案内メディアとなったといえるだろう。

10年前、たった3人だった会社は、今では100名に迫る従業員を擁する
日本最大のウエディング情報サイト運営会社となった。
この3年間だけでも売り上げは230%、式場契約数は250%も伸びている。

この数字からウエディング市場が伸びていると勘違いしてはいけない。
ウエディング市場は3兆円マーケットといわれるものの、
近年は少子化の影響もあり縮小傾向にある。

結婚スタイルの変化も市場に影響を与えている。
いわゆる「なし婚」という、結婚式を挙げないカップルが増加し、
年間婚姻件数約66万件のうち半分が「なし婚」になりつつあるといわれている。
 
市場が縮小すれば競争が激化し、会社の売り上げも減少するのが普通であるが、
そのような中でウエディングパークは、10年間右肩上がりで成長し続けている。


ウエディングパーク社には、ビジョン、経営理念、行動規範が明確に設定され、
社員全員がすべて頭に入れている。
それは強制されたものではなく、
社員が自然に共有する組織風土が醸成されている。

少し長くなるが、ウエディングパークのビジョン、
経営理念、行動規範を見てみよう。


ビジョンは「21世紀を代表するブライダル会社を創る」

経営理念は「結婚を、もっと幸せにしよう」

行動規範は「TRUTH」という小さな赤い小冊子にまとめられている。
そこには「幸せのための9つのピース」とした9つの行動規範が記載されている。

「TRUTH」は、社員全員が常に携帯し、9つの規範の中から
お気に入りの1つを選び、それを日常の行動のベースとしている。

行動規範を手帳に印刷し社員に暗唱させる会社はどこにもある。
しかしウエディングパークのそれはまったく異なるものである。

経営本部の瀬川由絵さんに「TRUTHをいつも持っているのですか?」
と尋ねると、「はい。私が好きなのは“憧れになる”です」と
嬉々として答えてくれた。

他の社員にも同様の質問をすると、
「私は“永遠のフェア”をモットーにしています」など、
同様に楽しそうに答えた。

筆者はビジネスプロデューサーという職業柄、
多くの企業と出会ってきているが、
社員が行動規範を嬉々として答えるのは極めて希なケースである。
これだけでも、いかに社員が理念を共有し、
自分の仕事に誇りを持っているかがわかる。
 
ウエディングパークでは、毎朝9時に朝会を行い、
社員の1分間スピーチの後、日紫喜社長のスピーチを行い、
全員で円陣を組んでから一日をスタートさせるという。
「理念や組織づくりに関する大切なメッセージ」を
社長自ら意識し“言葉”によって伝え続けているという。

この何気ない朝の習慣によって会社の理念が浸透し、
同じビジョンを共有することになっていると日紫喜社長は言う。
この習慣を創業初期から続けているという。

継続は力なりというが、理念を共有する習慣の継続が、
この会社のパワーを維持しているといえる。


●一体感と団結力を有する企業

ウエディングパークには30名を超える営業組織がある。
全国8拠点をベースに営業社員は全国どこにでも足を運ぶ。
「式場があるならイカダに乗っても行く」という気概を持って、
全国4000カ所ある式場に隈なく地道に足を運んでいるという。

ITに明るくない方々への勉強会も地道に実施し、
「ウエディングパーク」の利便性やメリットを伝える努力を愚直に続けている。

筆者がウエディングパークを取材する前には、
クチコミシステム等の最新IT技術が成功の秘密だと思い込んでいた。
しかし、ウエディングパークの成長を支えているのは強力な人間力であり、
地道な日々の営業活動の結果だったのだ。

営業は全国どこにでもたった一人で行くという。
この原動力の根底には、会社の理念とビジョンの共有があるのは
いうまでもない。

一般的に営業職が最も離職率が高く、
会社の考えに共感できなければ辞めてしまうことが多い。
しかし、ウエディングパークは営業職だけでなく
会社全体の離職率が極めて低いという。

IT企業は離職率が高いという世間一般の思い込みも見事に覆している。

今年に入り、もう少しで式場契約数日本一になるという時、
会社には「くす玉」が登場した。
日本一になって「くす玉」を割ろう、という思いが社員全員をおおっていた。

全国に展開した営業から、Facebookや日報を通じて結果が報告される。
その結果を受けて、システム部門やメディア部門の社員も
「がんばって!」「もう少し!」と応援メッセージを送り続けた。

そして3月になった頃、日本一まで目前となり、
会社の一体感はさらに強まった。誰もが毎日の営業報告に歓喜し、
その高揚感が最高潮に達した瞬間、くす玉が割られた。

「ウエディングパーク」が日本一を達成した瞬間である。
そして社員全員が成功体験を共有した瞬間である。

「この6月16日に10週年を迎えます。創業から数年間は
クチコミサービスをご理解いただくのに苦労しました。
決して順風満帆ではありませんでした。
式場様からクレームをいただくこともありました。
しかし、10年間粘り強くご提案させていただき、
真摯に営業活動を続けさせていただいた結果、
“信頼”を蓄積させていただき、
多くの式場様にご契約いただけるようになりました。

ようやく日本一のウエディングメディアになりましたが、
私どもはこれで足を止めるわけにはいきません。
圧倒的な日本一になることを次の目標に設定しました。
社員が幸せになる会社を追求しつつ、
より幸せな結婚情報を提供できる圧倒的一番の会社を目指していきます」

日紫喜社長が目指す理想は、どこまでも高いところにある。
その思いが、どこよりも一体感と団結力を有する
「ビジョナリー・カンパニー」を育てているのだろう。

これからもウエディングパークの成長に注目していきたい。

●鈴木領一(すずき・りょういち)
ビジネス・コーチ。ビジネス・プロデューサー。
自己啓発のレジェントであるナポレオン・ヒルが所属した「サクセスマガジン
社」の能力開発プログラムの企画開発責任者を務めた唯一の日本人。
さらに進化させた自己改革メソッド「フレーム・1%アクション」は
劇的な変化をもたらすメソッドとして今最も注目されている。
氏のコーチングを受けたことで、無職状態からEXILEとの共演を達成した
ケースや、起業して成功し新聞やテレビに取り上げられたケースなど、数多く
の成功者を次々に輩出している。近著に『100の結果を引き寄せる1%アク
ション』(サイゾー)がある。


※この原稿は、ビジネスジャーナルより鈴木領一氏の許可を得て
転載いたしました。
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5034.html

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編集後記                     副編集長 塩田 剛也

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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。

「ビジョナリー・カンパニー」という言葉を初めて聞きました。
不勉強で恥ずかしい限りですが・・・。

理念に共感できることがどれほど素晴らしいか、
私も常に感じています。

私が前職を退職した理由の大きなものの一つは、
会社の方針に共感できなかったことにあります。

お客様のために、という理念は打ち出しているものの、
実際に開発される商品は果たしてお客様のためになるものなのか。
その販売の仕方は会社都合であり、お客様の利益を損なうものではないか。

新入社員で入社して2ヶ月程の時でした。
見積もりを作成し営業職員さんに持っていったところ、
「儲からないからダメ」
と一蹴されてしまいました。

ものすごい衝撃を受けました。
お客様のためを考えるだけではダメなんだと。

そこからは、考えを変えざるを得ませんでした。
お客様にとってなるべく損のないように(見えるように)。
営業職員が喜ぶように。
嫌々ながらも、会社の業績に貢献できるように。

何のために就職したのかもわからず、
モチベーションも下がる一方で、
成果を出せるはずもありませんでした。

自分のやりたいことは何だろうと考えたときに、
自分の得意なこと、好きなこと、興味のあることで
お客様の役に立ちたい。
世の中の役に立ちたい。
そういった気持ちが湧いてきました。

退職に踏み出す勇気がなかなか出ませんでしたが、
なんとか新しいスタートを切ることができ、
ご縁に恵まれて今の職に就くことができました。

今の職場では、毎朝経営理念の唱和を行っています。
ウェディング・パークのようにお気に入りを一つ挙げるのであれば、
「お客様と一緒に発展し、社会に貢献すること」
を私は選びます。

自分の勉強したこと、知識、経験をお客様に提供し、
役に立つ仕事をしたい。

そんな自分の気持ちをぶつけられる仕事に就くことができ、
今はとても幸せです。

前職は仮にも上場企業であったため、
客観的に見れば退職するのが勿体ない、と思われる点もあるかもしれません。

それでも以前より幸せを感じて仕事をしています。
理念に共感できることがどれほど素晴らしいことなのか、
と感じる日々を過ごしています。

次号、第449号は7月28日(月)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!

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